「荒原の王者」のストーリー

若い未亡人マーサ・モーズ(ダイアン・ブルースター)は、バッキー少年をかかえ、若い牧童ランディ(ジョージ・モンゴメリー)と、頑固者の老人アイダホの助けをえて牧場をきりまわしている。しかし女の腕1本では、給料の支払いもおくれがちで、そのうえ、納入期限の迫っている政府への地代500ドルの捻出にも悩んでいた。腹黒い牧場主マットは、彼女の土地を手に入れることを狙い、金貸しオーカットに彼女が500ドル借りようとしたのを妨害した。そのころ、近くの荒野には、たくましい黒い種馬が、数十頭の牝馬の群をひきいて出没していた。マットはこの馬をほしがって、生け捕った者に500ドルの賞金を出すと広告した。女主人の窮伏を助けるため、ランディとアイダホは人々にまじって、この種馬さがしをはじめた。バッキー少年も大人にまじって、これに加わった。そして、彼は首にかけられたロープが木の根にひかっかって、立往生している種馬を発見した。自分の手だけで牧場までこの荒馬をひいていくことはできないので、少年は飼や水を運んで馬を馴らしはじめた。そんなことを知らないランディとアイダホは、納入期限の迫った金を工面するため、オーカットを脅して証文とひきかえに500ドルを奪った。しかしこの金はマットの手下に横どりされてしまった。土地管理局ではマットが500ドルを手に入れ、期限のきれた未亡人の土地を手に入れようとしていた。その時少年の馴らした種馬をランディがつれてきて彼に賞金を要求した。マットは拒んだが、彼の持っていた金が、金貸しオーカットが強奪されたと訴えたので、彼の企みは総て露見してしまった。即座にマットを倒したランディは、かねて思いをいだいていた未亡人に結婚を申し込んだ。こうして、500ドルは手に入り、牧場は救われた。