「鬼が来た!」のストーリー

第2次大戦末期、中国・華北の掛甲台村。ある深夜、マー・ターサン(チアン・ウェン)は麻袋を2つ押しつけられる。1つには日本兵の花屋小三郎(香川照之)が、もう1つには通訳の中国人、トン・ハンチェン(ユエン・ティン)が入れられていた。マーは彼らを晦日まで預かるように何者かに脅されたのだが、約束の時を過ぎてもその人物は姿を見せない。この村に日本兵を置くのは危険だったが、もはや2人を預かってから半年たち、当初は攻撃的だった花屋も村人たちに感謝を示すようになっていた。そこで、花屋は自分たちを助けてくれたお礼に穀物を進呈するよう日本軍にかけあうと提案。花屋の上官、酒塚隊長(澤田謙也)は、花屋を激しく叱責するものの、村人たちには要求以上の穀物を進呈。その夜、村人全員と日本兵たちが集まって宴会が開かれた。大いに沸く人々。しかし突然、酒塚が村人に花屋の殺害を命じる。緊張が走る中、酔った村人の1人が酒塚に気安い口調で話し掛け、その姿に激怒した花屋は衝動的にその村人を殺害してしまう。それをきっかけに宴会は、一気に殺し合いの大混乱。やがて終戦。通訳トン・ハンチェンは処刑。そしてマーは、恨みから日本兵をオノで多数殺害したことを問題視され、花屋の手で斬首刑に処されるのだった。