「銀の男 六本木伝説」のストーリー

大学の民族学研究室で助手をしている倫子は、教授の依頼を受けて六本木のホストクラブへフィールドワークに出かけた。彼女が訪れたDiosは、ホストの大半を役者志望の若者が占める店だ。ある日、倫子は馴染みのホスト・俊也に店のナンバーワン・康平から聞かされ感銘を受けたという伝説のホスト銀の男の話をしてもらう。出張ホストでありながら、客の女性ひとりひとりに心の通じ合いを求めた銀の男=ユウジ。本宮ひろ志のコミックのモデルにもなった彼を、康平は目標にしていたらしい。ところがその康平がここ数日、店を無断欠勤していた。心配になった俊也は、仲間と彼の部屋へ様子を見に行くが、そこで彼の溺死体を発見してしまう。康平の死の裏には、様々な憶測がされた。代議士夫人との関係、そして恐喝。康平は、銀の男などではなかったのだ。そんな康平の真の姿にショックを受けた俊也たちは、真犯人が店の常連客で風俗嬢の朋絵だったことを知り、更にショックを受ける。彼に入れあげるあまり独占したいと思うようになった彼女は、彼に捨てられるのを恐れて殺害したのだ。康平の告別式は、Diosで行われた。参列した倫子は、辛い事件から立ち直りナンバーワンを目指すことを心に誓う俊也の姿に、銀の男を見たような気がした。