「コルベット・サマー」のストーリー

子供の頃から車の好きなケニー(マーク・ハミル)は高校の自動車部に入っており、車のことばかり考えていて、卒業の見込みもなかった。卒業の日も近いある日、部員たちと共にスクラップ寸前のコルベットを見つけたケニーは、その車を皆の努力で新車に改造した。愛情が少しも感じられない母親の態度にいつも孤独感を味わっていたケニーにとって、そのコルベットは愛車以上のものだった。コルベットのロード・テストはクラブの顧問、マッグラス先生(ユージン・ロッシュ)の指導で順調に行なわれた。ところがケニーからバトン・タッチされた仲間のクーツ(ダニー・ボナデュース)が車がら離れたスキに、コルベットは何者かによって盗まれてしまった。ショックを受けたケニーは、コルベットを取り戻す決心をし、卒業証書ももらえずに迎えた夏休みに、アルバイトをしながらコルベットの手配書を貼り回った。ラスベガスで車を見たという情報をもとに、ヒッチハイクでラスベガスに向ったケニーは、途中で水商売風の女の子、バネッサ(アーニー・ポッツ)のライトバンにひろわれた。ケニーに迫るバネッサから逃げ出し、ラスベガスに着いたケニーは、情報で知ったコルベットを見に行くが、別のもので、しかもサイフをすられて無一文になり、あきらめてロスに戻る決心をした。しかし翌日、あのコルベットを目にする。思いとどまつて、車を取り戻すまではラスベガスに居座る決心をしたケニーは、バネッサと再会。口論しあいながらも、バネッサの誘惑に負け、ベッドを共にしたケニーは、初めての経験に感激し、彼女に特別な感情を抱くようになる。ある日、車を盗んだ男ウェイン(キム・ミルフォード)を見つけ出し、警察に訴えに行こうとするが、そこで再会したマッグラス先生から、実は、コルベットは盗まれたのではなく、先生が高く売ったのだということを聞きショックを受ける。しかし、この件を丸く収めれば、週給850ドルでウェインの工場に就職させるという話を、ケニーは受け入れ、バネッサに豪華なホテルを貸りて一緒に住もうと話す。バネッサは、コルベットを探し回っていた時の純粋なケニーが変わったのを見て、ライトバンを売って姿を消した。自分を見直したケニーは、コルベットを取り戻し、黄色に塗りかえられていたのをもとの真赤に直し、捜し出したバネッサを無理矢理乗せて、一路ロサンゼルスヘ向った。追ってくるウェインを巧みにかわし、無事戻ったケニーは、校長(リチャード・マッケンジー)に、そのことを告げ、クーツを通じて卒業証書が渡された。しっかり抱き合うケニーとバネッサのそばに太陽に輝く真赤なコルベットがあった。