「ラブレター 蒼恋歌」のストーリー

良太(石垣佑磨)は本気でやりたいことも見つからず、中途半端な生活を送っている。配管業を営む父親(寺島進)の仕事も手伝わず、殴られる毎日。バンドを組んではいるが、ギターすら弾けない。同年代の友達は自立していく中、自分はどうしていいのかわからない。良太は焦り、孤立する。一方、足の不自由な母親を持つ由衣は、将来人の役に立つ仕事をするため東京の大学で福祉を学びたいと考えていた。従姉妹・エリカ(工藤里紗)を頼って大学の下見のために上京、大好きなサリンジャーのライブに足を運ぶ。ライブ中、楽屋から白い煙が溢れてくる。混乱する中、由衣を助けたのは良太だった。お互いに惹かれるものを感じ、二人は再会を約束する。ある日、良太は諍いを起こし、バンドをやめてしまう。由衣に聴かせるためにギターを練習しようとするが、父親は仕事をさぼり大人としての自覚のない良太を戒める。カッとなった良太は父を殴り倒す。超えられない存在であった父親を超えてしまった動揺と戸惑いのため、良太は家を飛び出した。すると、父から東京への進学を反対されやはり家出してきた由衣と再会する。二人は先の見えない不安を分かち合い、恋心が生まれる。しかし、エリカからの連絡を受け、心底から心配した由衣の両親が上京。由衣は自分の身勝手な行動を恥じ、良太に別れを告げることなく実家に帰る。良太は由衣の実家へ向かうが、由衣は自力で家族を説得しようとしており、帰ってほしいと言われてしまう。突然、携帯が鳴った。父が死んだ。良太は、父の跡を継ぎまじめに働くことを決意する。春。配管工として働く良太と東京の学校に進学した由衣は、一歩ずつ成長し、ようやく再会を果たす。