「サルバドールの朝」のストーリー

1970年代初頭、フランコ独裁政権下のスペインでは、権力に反発する様々な活動が行われようとしていた。自由を愛し正義感にあふれる25歳の青年サルバドール・ブッチ・アンティック(ダニエル・ブリュール)は、無政府主義グループに参加。活動資金を得るために仲間たちと銀行強盗を繰り返し、反体制の犯罪者として警察にマークされていた。仲間との密会場所に張り込んだ刑事に逮捕されたサルバドールは、死刑を求刑される。警官との揉み合いで、サルバドールの撃った銃弾が若い警官の命を奪ってしまったのだ。だが死んだ警官の身体には味方の弾丸も残されており、警察はその検死結果をもみ消そうとしていた。家族と友人、処刑を阻止しようと奔走する弁護士、元恋人など、サルバドールを愛する人々は獄中の彼を支援し、支える。激しい敵意を露わにしていた看守さえも、いつしかサルバドールと固い友情で結ばれていく。しかし再審も恩赦も退けられ、死刑判決を覆すことは出来なかった。減刑を求める家族や世論の声を胸に抱き、サルバドールの死刑は執行された。