「空へ 救いの翼 RESCUE WINGS」のストーリー

23歳の川島遥風(高山侑子)は、かつて母の命を救ってくれた救難団に憧れ、救難ヘリの新人パイロットとして訓練の途上にあった。山岳地帯の上空。航空自衛隊航空救難団小松救援隊の高性能ヘリUH-60Jを操縦していた彼女は一瞬、操縦を誤り、機体を激しく揺らす。その時、隊長・菊田2佐(三浦友和)が、怒号とともに操縦を代わった。小松基地に悄然と降りた遥風を、腕組みして見つめる飛行班長・3佐の鷹栖美那(木村佳乃)。数日後、嵐の中で漁船・第十五伊勢丸が座礁。遥風の初の実任務が始まった。遥風はUH-60Jの副操縦席で漁船へのアプローチ開始を告げる。慎重にヘリを船上へと近づける機長の早稲田(春田純一)。メディック(救難員)の柿崎(中村俊太)が漁師たちをケーブルでつり上げてゆく。だが、最後の1名を捜索中、UH-60Jの燃料は限界に達し、ミッションは中止された。翌日、落ち込む遥風に、メディックの瀬南(渡辺大)は阪神大震災で妹を死なせてしまったこと、だが感傷や憧れで救難をやってはいけないことを語る。半月後、遥風が離島から緊急搬送し、手術も成功したはずの少女・彩が病院で急死した。彩からの感謝の手紙を握りしめ、遥風は嗚咽する。そんな彼女を黙って見守る菊田。実は、彼にもパイロットだった美那の父を燃料切れで救えなかった過去があった……。その一ヶ月後、小松救難隊に非常ベルが鳴り響く。横須賀1尉(金子賢)が操縦する306飛行隊F-15Jがレーダーから消えたのだ。捜索のため、直ちに美那のU-125Aが発進。遥風が操縦するUH-60Jも現場に向かう。だが、捜索は難航、横須賀の有効意識時間も僅かとなった。その時、U-125Aから横須賀発見のマーカーが投下された。遥風は救出を開始しようとするが、UH-60Jの残燃料はリミットを示す。基地の菊田からは「戻れ」という苦渋の声。遥風はパイロットとしての誇りを胸に、ある命懸けのミッションに突き進む……。