「007/慰めの報酬」のストーリー
007となったジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)。彼は、ミスター・ホワイト(イェスパー・クリステンセン)をトランクに詰めたアストンマーチンで追っ手たちを振り切って、上司であるM(ジュディ・デンチ)が待つMI6本部に帰還した。ミスター・ホワイトは、初めてボンドが愛した女性ヴェスパーを死に追いやった憎むべき存在だった。しかし、MI6の内部にも裏切り者がいた。想像以上に巨大な組織が背後にあることをボンドは知る。捜査のためにハイチに飛んだボンドは、奇しくも知り合った美女カミーユ(オルガ・キュリレンコ)を通じて、慈善団体グリーン・プラネットのドミニク・グリーン(マチュー・アマルリック)に接近する。表向きは環境保護を訴えるグリーンは、実は組織の幹部であり、豊富な天然資源を持つボリビアでのクーデターを企てていた。そのために、かつてはボリビアの独裁者であり、新政権によって失脚したメドラーノ将軍(ホアキン・コシオ)と手を組もうとしていた。そんなメドラーノ将軍に両親と姉を殺され、家を燃やされたのがカミーユだった。復讐を果たそうとする彼女に、自身のヴェスパーへの思いを重ねるボンド。ボンドはボリビア駐在の諜報員フィールズ(ジェマ・アータートン)やMI6を引退したマティス(ジャンカルロ・ジャンニーニ)の手を借りて、グリーンを追いつめようとする。しかし、私的な感情でエスカレートしてゆくボンドの行動はMのみならず首相までを激怒させ、さらにはCIAからも追われる身となってしまう。フィールズやマティスも殺された。怒りを爆発させるボンドとカミーユは、グリーンとメドラーノ将軍が契約を交わすホテルへの潜入に成功する。最後の対決で、カミーユはメドラーノ将軍を倒す。逃亡するグリーンを追いかけるボンドは、彼を砂漠の真っただ中に置き去りにした。それが、ボンドとカミーユの手に入れた慰めの報酬だった。