「今度の日曜日に」のストーリー

ソウルに住む女子高生ソラ(ユンナ)は、日本の大学に留学する憧れの先輩ヒョンジュン(ヤン・ジヌ)からビデオレターの交換をしようとビデオカメラをもらう。再婚したいという母(チョン・ミソン)に素直になれないソラは、ヒョンジュンとビデオレターのやり取りをするうちに、彼の後を追って日本で映像の勉強をすることを決意する。長野の信州大学に入学したソラは、さっそくヒョンジュンのアパートを訪ねるが、彼のアルバイト仲間の大村(中村俊太)から、ヒョンジュンが家庭の事情で休学し、帰国していたことを聞かされる。やがて秋になり、日本の生活にいまだに馴染めないソラは、提出日が迫っている映像実習課題「興味の行方」の被写体すら決まっていなかった。教官の神藤(竹中直人)を通じてヒョンジュンが退学届けを出すために来日することを知ったソラは久しぶりに彼と再会するが、それは悲しい失恋に終わる。そんな中、ソラは大学のトイレでドジな用務員・松元(市川染五郎)を見かけ、その後、その冴えない中年男はピザの宅配人として彼女の前に現れる。そしてソラが次に松元を目撃した時、彼は新聞配達をしていた。3つの仕事を掛け持ちし、いつも居眠りばかりしているその謎の男に興味を覚えたソラは、彼を課題の被写体にしようと思いつく。渋る松元を何とか説得し、取材を重ねるうち、松元の事情が分かってきた。借金を抱え離婚して故郷に戻ってきたこと、借金返済と息子の養育費のためほとんど眠らずに働いていること、道端に落ちているガラスびんを拾ってきては丁寧に洗い収集していること…。そんなある日、離れて暮らす小学生の息子が松元を訪ねてくる。父子が交わすやりとりの中に、温かい家族の絆を感じたソラは、現状を打破すべく頑張っている松元を見直した。ソラの実習課題のタイトルは“びんとおじさん”に決定。松元はビデオカメラに向かい、集めたびんの1本、1本にまつわる思い出を語り出した……。