「蛇のひと」のストーリー
とある朝。会社員、三辺陽子(永作博美)が出社すると、社内は大変な騒ぎになっていた。部長の伊東が自殺したというのだ。しかも課長の今西(西島秀俊)まで行方不明だという。陽子はとりあえず、葬儀の手伝いに行くが、伊東の妻、牧子の口から出てくるのは、何故か今西の話ばかり。葬儀の後、副社長から呼び出された陽子は、今西が会社の金を横領して逃亡した可能性があると聞かされる。しかも、伊東部長がその証拠を握っていたというのだ。今西が伊東を殺したのではないか……?今西の人柄を知る陽子は、あんないい人がそんなことをするはずがないと思いつつ、会社の命令で今西の捜索を開始する。今西の友人を順番に訪ねて行く陽子。今西に振られた後、今西の友人と結婚し、DVが原因で離婚した女性。今西の言葉に従ってマンションを購入したものの、ローンの支払いで疲れ果てた夫婦。今西の仲裁を受けて、愛人と妻と3人で住むことになった友人。みんなどこかしら不幸になっていた。今西を知る人物を訪ねるうちに、彼が一体どんな人間だったのか、陽子には分からなくなっていく。更に、恐ろしく、悲しい今西の過去を知ったとき、陽子はある衝撃の事実に気づき、愕然とする……。そして、思いがけない場所でようやく今西を発見した陽子は……。