「デジレ(1954)」のストーリー
マルセイユの絹物商クラリ家に生れたデジレ(ジーン・シモンズ)の物語は、彼女が17歳のときから書き出した日記によってはじまる。フランス革命後の1794年、デジレはコルシカから来た青年ジョゼフ・ボナパルト(キャメロン・ミッチェル)と知り合った。翌日ジョゼフが兄のナポレオン(マーロン・ブランド)を連れて彼女の家を訪問したのが縁でデジレの姉ジュリー(エリザベス・セラーズ)とジョゼフは結婚した。ある夜デジレに愛を告白して、パリへ向かったナポレオンは、その後何の音沙汰もなかった。彼に会いたい一心でデジレはパリへ行き、ベルナドット(マイケル・レニー)という将軍のおかげで、ナポレオンが現れるという社交場へ入ることが出来たが、彼女はそこでナポレオンが美しいジョゼフィンと結婚することを知らされた。失望してセエヌ河に身を投げようとした彼女を止めたのはベルナドットだった。2人は結婚し、オスカーが生れた。1799年ナポレオンはフランス共和国大統領となった。そして1804年には帝位についた。数年してナポレオンは子のできぬジョゼフィンと離婚、オーストリアの皇女マリー・ルイズと結婚した。1810年ナポレオンがロシア遠征を企てたとき、ベルナドットはスウェーデン議会に選ばれてスウェーデンの王位に就いた。王妃としてスウェーデンに渡ったデジレは王族たちの冷たい態度に耐えかねてパリへ戻って来た。1812年、ナポレオンのロシア遠征は失敗に帰した。彼はパリのデジレを説いてベルナドットの援助を得ようとしたが失敗した。1814年、ナポレオンは譲位してエルバ島に流されたが、翌年島を逃れてパリへ軍を進めた。が、ウォタールーの一戦はまたしても彼を敗北の将とした。デジレは単身彼を訪れてフランスのために彼の降伏を説いた。かくてナポレオンは降伏し、セント・ヘレナへ流されたのである。