「ニコライとアレクサンドラ」のストーリー

1904年、ロシア皇帝ニコライ2世(マイケル・ジェイストン)と皇后アレクサンドラ(ジャネット・サズマン)との間に皇太子アレクセイが誕生した。しかしすでにロシアでは貴族階級と労働者、農民との間には亀裂が生じていた。当時ロシアは日露戦争に足を踏み入れ、ロンドンでは亡命したレーニン(マイケル・ブライアント)、スターリン(ジェームズ・ハゼルディン)、クルップスカヤ(ヴィヴィアン・ピックルズ)、トロツキー(ブライアン・コックス)らが、労働者蜂起を企て、ロマノフ王朝打倒を目指していた。このような情勢の中、皇太子アレクセイの成長につれ、その体内に血友病が巣くっていることが明らかになり、その困惑のただ中に怪僧ラスプーチン(トム・ベイカー)が登場、不思議な力をふるって皇太子の危機を救い、このことからラスプーチンに対する皇后アレクサンドラの寵愛が始まった。これを期にロシア人民の心が王家から離反、加えて悲惨な貧困禍に見舞われ、1905年、あの“血の日曜日”を見るに至った。危急に心を痛める首相ウィッテを首相の任から降ろし、ストルイピンが首相の座についた。その後ストルイピンが若いボルシェビキのボグロフに暗殺されたのに怒った皇帝は、ただちにユダヤ人と労働者の弾圧を命じたが、穏健派ケレンスキーの制止でやむなきに至った。再び戻ってきた皇室の平和。更に一度は追放されたラスプーチンの復帰。しかし勃発した第1次大戦を受けた皇帝は、ロシア軍に動員を指令、側近に耳も貸さず自ら指揮をとった。チューリッヒのレーニンはこの報を聞いて具体的な計画にとりかかった。ペテルブルグでは、ラスプーチンが暗殺され、国民の飢餓は極に達し、毎日のように暴動、デモが繰り返され、遂にゼネストが起こった。さすがの皇帝も退位の署名をし、2月革命は成った。ここにロシア200年の専制の時代は終わった。王室一家の身柄の安全に心をくだくケレンスキーは、レーニン帰国の報を聞いて緊張、革命独裁の道を阻まんとして議会でボリシェビキと衝突したが失敗。ためにボリシェビキは、反革命軍の皇帝かつぎだしを怖れ、裁判という名目で皇帝一族を幽閉した。そして最後の指令が走った。1918年7月16日夜、ニコライ、アレクサンドラ、そして皇太子アレクセイなど王室一家はすべて銃殺に処された。