「山の法律」のストーリー

山間に生まれそこで育ったルース・ハーキンスは都会の看護学校に学んで、初めて故郷の山以外の世界があることを知った。山の婦人の惨めな生活、子供たちの教育のため一生を捧げようと彼女決心した。父親ジェフは頑固一徹の山男で娘の考えに反対した。山の男たちも皆外界の影響が侵入することを嫌ってルースをのけた。唯一の味方は温情に富む老医師バーナードである。ルースは彼の看護婦となって二人は目的の達成に努めた。医療施設不足から多くの幼児が命を失われるので先ず山中に療養所を設立する決心で資金を集めることになった。医師は二十年来愛していたフイビイとの結婚費用に貯えた金を出し、ルースは自分の持っている少しばかりの山を売り払ったが、町の金持ちは二人の考えを一笑に附して寄附金を拒絶した。その頃乱暴なジェフはニューヨークの電力会社社員を射とうとして裁判に附せられた。会社は敏腕な若手弁護士ポール・キャメロンを法廷に送った。公判の前夜ポールは山の祭りを見に行って、ルースに会い彼女に心を惹かれた。彼女との結婚をジェフに許されていたトッドはそれを見て嫉妬をする。ジェフは短い刑に処せられ出獄してみるとルースは研究を続けるためニューヨークへ行っていた。ルースとポールは深く愛し合う仲となりまた金持ちの娘イヴリンは療養所の財政的援助を約束した。ルースはイヴリンと一緒に山へ帰り療養所を開いてバーナードを所長に迎えた。ジェフはルースが未だポールを愛するのを知って、妹のベシィをトッドに嫁がせようとする。それを嫌ったベシィは姉の許へ逃げた。父親は狂気の如くになってルースを鞭で打ち果ては娘を刺そうとした。追いつめられたルースは思わず鞭で父を殴ると、ジェフは息が絶えてしまった。彼女は父殺しの罪で捕らえられた。ポールは弁護に駆けつけた。検屍の結果父親の死は興奮による心臓麻痺と判明したが、陪審員は彼女を有罪と認め二十五年の極刑が宣告された。ポールとバーナード、それから親友の婦人たちは一策を設けてルースを救い出し飛行機で他の州へ逃がした。そこの知事は事情を知ると、故郷からの送還依頼を拒絶した。そしてルースはポールと結婚し新しい生活に入った。