「宇宙からの脱出」のストーリー
ヒューストン基地から発射された宇宙船アイアンマン1号は、いま順調な飛行を続けていた。この宇宙船には、プルエット(リチャード・クレンナ)、ロード(ジーン・ハックマン)、ストーン(ジェームズ・フランシスカス)の3飛行士が搭乗していた。3人は、地上基地の責任者キース博士(グレゴリー・ペック)と、主任飛行士ダウティ(デイヴィッド・ジャンセン)から送られてきた指令通り、宇宙ステーション建設のためのすべての作業をすませ、やがて、地球へ戻ることとなった。だがここで、原因不明の事故が起き、地球へ戻るための推進ロケットが点火しなくなってしまった。さっそく、地上センターでは、原因究明のため電子計算機を駆使した。初めのうちは余裕を示していた当の飛行士たちにも、無限の沈黙の宇宙空間にとり残された、不安と恐怖が、じわじわと迫ってきた。そのころ地上基地では、テッドを一人乗り宇宙船に乗せ、救助に向かわせることにした。しかし、この救助計画には、数多くの困難が伴った。数日もかかる軌道計算、宇宙船の食料と酸素の心配等々。その上に、救出船発射間際に、基地は大暴風雨に見舞われてしまった。そのため、いったん発射を見あわせた基地では、台風対策に頭を悩ませるのだった。こうして、地上基地があせりを感じていたころ、宇宙空間では、3人の飛行士たちが、懸命の脱出作業にはげんでいた。しかし、その作業中、プルエットが命を落としてしまい、無辺の宇宙に、ロードとストーンの2人がとり残されてしまった。救助作業に全力を傾けた地上基地は、しばらくして、すばらしい考えを思いついた。台風の目の無風状態を利用して救助船を打ち上げようという考えがそれだった。基地のすべての人々がその成功を祈った。その中で、無事救助船は、宇宙の迷子となった2人を救出すべく、上昇して行くのだった。(コロムビア配給*2時間13分)