「六番目の幸福」のストーリー

イギリスのある邸の召使女グラディス・アイルワード(イングリッド・バーグマン)は、中国伝道を志願するが、無資格のため断られ、自力で中国に旅立つ。シベリア経由の鉄道旅行は予想外の困難を伴ったが、彼女はついに中国の奥地にあるヤンチェンと云う山村に着く。村では永く単身働いていた女伝道師ロウソンがグラディスを歓迎したが、村人が彼女の徳に従う迄には長い間の忍耐と努力を要した。彼女はロウソンに協力して騾馬を追う人人のために“6番目の幸福”と云う旅館を経営するが間もなくロウソンは不慮の死をとげる。村の省長(ロバート・ドーナット)に纒足禁令を伝えに訪れた中国軍の混血将校リナン(クルト・ユルゲンス)は彼女の帰国を勧めるが彼女の熱意は従わず、困難と思われる纒足禁止調査員の役目も見事に果たし、囚人の暴動もしずめ、3年間の献身はすっかり村人たちの信望を集めた。リナンが再び日本軍進攻を知らせにヤンチェン村を訪れた。原住民の協力を説いて廻るリナンと纒足調査員として共に旅するグラディスは次第に心ひかれる仲となる。リナンは彼女の孤児養育に心を動かされるが、省長は感謝のしるしに自らクリスチャンとなって彼女を感激させる。日本軍接近につれて、彼女のもとに集る孤児の数は増しついに100人に至る。折しも伝道本部から3週間以内に孤児を西安に連れて来ればバスで安全な所に避難させる旨知らせて来た。出発にあたりリナンは彼女に安全な道を教え、ヒスイの指輪を与え彼女への愛を誓う。西安への道は困難をきわめた。子供たちは飢えと疲れに弱り、数多の危険に遭遇し苦しい旅だった。激しい雨や風は一行を攻めたて、日本軍は一行をおびやかした。しかしついに奇蹟の行軍の末、一行は無事目的地西安に着き人々の脅威と歓迎を受けた。大任を果したグラディスはリナンとの再会と、戦火に荒れはてた村を建てなおすために再びヤンチェン村へ帰って行くのであった。