「嵐を呼ぶドラゴン」のストーリー
物語は、清朝の兵士たちが少林寺を焼き打ちした二日目から始まる。少林寺拳法の修業者の一人フン・ヒグン(C・カンタイ)は、重傷を負いながらも闇に乗じて寺を脱出、広東へと向かった。清の将軍チェ・カン(C・マ)はフンの逃亡に気づき、副官のテェ・シャン(W・シン)や配下のマン・シン(F・イー)などに追跡を命じた。やがてフンは、マンたちに見つかり、激しい戦いになったが、次々に追手を倒していった。手をやいた一味は、偶然に通りかかった少林寺に向かう若い修業者フォン・サイヨー(F・シェング)をだまし、フンを捕えるように仕向けた。事情がわからないままフォンは、孤軍奮闘するフンを暴漢と信じ、彼の型を見て同門であることを知り戦意を失ったフンを叩きのめしたあげく、兵士たちに逮捕させてしまった。清朝政府は、捕えたフンを大金持のホー・チュウ・チェンの邸に監禁、拷問によって少林寺の他の弟子たちの行方をはかせようとした。しかし、いくら手ひどい拷問を受けても、フンは決して口を割ろうとはしない。ある日、副官のテェ・シャンが小さな料理店で酒を飲んでいた。そして店主のワン夫人(F・シン)の美しさに心を奪われ、うっかりフン逮捕の顛末を話してしまった。少林寺の同調者であるワン夫人は、早速、シンパのリ・シイ・クワン(W・チーチン)に伝えた。リを始め、他のシンパたちがフンを逮捕させたフォン・サイヨーを非難したのはいうまでもない。このことを知ったフォンは、単身敵地へ乗り込んでフンを助けるといい張ったが、一同はいきりたつフォンを引きとめた。やがて一味は、フンが捕えられている牢まで地下道を掘る計画を立てたが、石壁にはばまれて思うように進まなかった。一方、チェ将軍も指をくわえていたわけではなく、フンを公衆の面前に引き出して処刑することにし、もしフォンたちが助けにくれば一網打尽にしようと待ち構えていた。その頃、フォンたちはフンの救出作業に懸命だったが、地下道は容易に牢に通じなかった。しかしフンの足鎖をゆるめる役には立っていた。おかげでフンは鎖でテェを殴り殺し、地下牢からの脱出に成功した。地上に出た彼は、チェ将軍に決闘を挑み、フォン、リなども加わって壮絶な肉弾戦を展開、ついに将軍や部下たちを一人残らず葬り去った。