解説
夜行列車に乗合せた人々のさまざまな人生模様を描いたドラマ。脚本はイェジー・ルトフスキーと「尼僧ヨアンナ」のイェジー・カワレロウィッチで、カワレロウィッチが監督した。撮影はヤン・ラスコウスキー、音楽はアンジェイ・トシャスコフスキー。出演者は「尼僧ヨアンナ」のルチーナ・ヴィニエツカ、舞台のレオン・ニェムチック、「灰とダイヤモンド」のズビグニエフ・チブルスキーなど。
ユーザーレビュー
「夜行列車(1959)」のストーリー
ポーランド中心部の駅から発車する夜行列車は、翌朝バルチック海岸の町に到着する汽車だった。ホームは混雑していた。そんな中を黒メガネの男が一等コンパートメント入口に近づいた。イェジー(レオン・ニェムチック)だ。彼は切符がなかったが、強引に乗車してしまった。また一方、眼の美しいマルタ(ルチーナ・ヴィニエツカ)とその恋人スタシェック(ズビグニエフ・チブルスキー)がいた。マルタはスタシェックとの愛を清算するべく旅行に出たのだ。列車が走り出すと女車掌はイェジーに十六号寝台券を与えた。が、その室にはマルタが乗っており、やむなく二人は同室することになった。スタシェックは普通車から「すぐ帰って来い」という手紙を渡したが、彼女は破り捨てていた。列車はある駅に着いた。イェジーはタバコを買いに下車した。その隙にスタシェックが窓下に来ては自分のもとに帰るよう懇願したがマルタは応じなかった。夜中、突然列車が止り警官達が乗りこんで来た。殺人犯が十六号室にいるというのだ。イェジーが連行されたが、すぐ釈放された。彼は実は医者であり、手術中患者を殺してしまい悩んでいたのだ。車内騒然の最中にマルタはカーテンの間からのぞく男を見つけ、その男から十六号室の券を買ったことを思い出し警官にしらせた。男は列車から飛び降りて逃げたが、墓地で乗客達に捕まってしまった。汽車は乗客を乗せ再び走り始めた。やがて夜が明け、次の駅に着いた。相変らずスタシェックは、マルタの窓をたたいた。と、イェジーが窓を開けたため、スタシェックは驚き列車の走るのを忘れてホームに残った。汽車は終点に着いた。イェジーはマルタに深い感慨を抱きながら妻の待つホームに降りていった。マルタもトランクを持つと静かに降り、遠くに白波のみえる砂浜を一人歩き続けていった。
「夜行列車(1959)」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「夜行列車(1959)」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | ポーランド |
製作年 | 1959 |
公開年月日 | 1963年3月1日 |
上映時間 | 100分 |
製作会社 | 国立カードル・プロ |
配給 | 新外映 |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | スタンダード(1:1.37) |
カラー/サイズ | モノクロ/スタンダード |
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