解説
アルベルト・モラヴィアの同名原作をジャン・リュック・ゴダールが脚色・演出した愛の真実を追求する人間ドラマ。撮影は「勝手にしやがれ」のラウール・クタール、音楽は「かくも長き不在」のジョルジュ・ドルリューが担当した。出演は「真実」のブリジット・バルドー、舞台俳優のミシェル・ピッコリ、「カルタゴの大逆襲」のジャック・パランス、ほかにフリッツ・ラング、ジョルジア・モルなど。2017年9月30日よりデジタル・リマスター版を上映(配給:コピアポア・フィルム)。『軽蔑 60周年4Kレストア版』を2023年11月3日より劇場公開(配給:ファインフィルムズ)。
「軽蔑(1963)」のストーリー
女優カミーユ(ブリジット・バルドー)とその夫、シナリオライターのポール(ミシェル・ピッコリ)は寝室で無意味な会話をする。充実した満足感がなせるものだ。翌朝、ポールはアメリカのプロデューサー、プロコシュ(ジャック・パランス)と会った。撮影中の映画のシナリオを改定してくれというのだ。昼、カミーユが来た。プロコシュは二人を自邸に誘った。プロコシュはカミーユに親切だ。静かな嫉妬心を持ちながら、ポールはプロコシュに遠慮している。プロコシュはカプリ島のロケにカミーユを誘った。「夫が決めますから」カミーユは素気なく答える。アパートに帰ってからカミーユはひどく不愛想だった。その夜、二人は寝室を別にした。ブロコシュから誘いの電話があり、ポールはカミーユ次第だと返事した。カミーユは再び激しく怒った。「軽蔑するわ」。夫婦はプロコシュの誘いで映画館に行った。夫婦はほとんど口をきかなかった。カミーユはカプリ行きを承知した。カプリ島の撮影現場。プロコシュは監督のやり方が気に入らない。彼は一足さきに別荘に帰ろう、とカミーユを誘った。カミーユは夫の顔を見た。「お行き」ポールは監督とユリシーズの愛を語りあっている。……別荘。ポールは何故自分を軽蔑するのか、カミーユに執拗にきいた。二人は黙しあうだけだった。翌朝、衣類をまとめているポールの所にカミーユからの手紙が届いた。プロコシュとローマに立つ、と認めてあった。その頃、ハイウェイでスポーツカーが大型車と衝突して、二人の男女が死んでいた。カミーユとプロコシュだった。
「軽蔑(1963)」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「軽蔑(1963)」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | フランス イタリア アメリカ |
製作年 | 1963 |
公開年月日 | 1964年11月22日 |
上映時間 | 102分 |
製作会社 | ローマ・パリ・フィルム=コンパニア・シネマトグラフィカ=エンバシー・ピクチャーズ |
配給 | ヘラルド |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | シネマ・スコープ(1:2.35) |
カラー/サイズ | カラー/シネスコ |
コピーライト | (C) 1963 STUDIOCANAL - Compagnia Cinematografica Champion S.P.A. - Tous Droits reserves |
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