解説
父親を探して旅に出る兄弟の姿を描いたロードムービー。笑いを誘うようなエピソードやユニークな登場人物たちで綴られたこの映画は、バフティヤル・フドイナザーロフという二八歳の監督のデビュー作であり、トリノ国際映画祭、マンハイム国際映画祭でグランプリを受賞した他、ナント映画祭、ベルリン映画祭などにも出品され、各国で非常に高い評価を受けた作品。脚本はフドイナザーロフとレオニード・マフカーモフ。撮影はゲオルギー・ザラーエフ。音楽はアフマド・バカエフ。編集はタチヤナ・マルシェワ。録音はルスタム・アハードフ。主演はチムール・トゥルスーノフ、フィルズ・サブザリエフ。共演はN・タバロワ、N・アリフォワなど。2023年6月3日(土)よりユーロスペースほか全国で、2K レストア版を上映。
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「少年、機関車に乗る」のストーリー
見渡す限りの平原。ファルー(フィルス・サブザリエフ)は友人に爆弾を渡し、弟と一緒に父親のところへ行くつもりだと打ち明けた。爆弾を刑務所の中へ放り込み、逃げるファルーとその仲間たち。警察をうまく巻くと彼は弟アザマット(チムール・トゥルスーノフ)を迎えに行くのだった。アザマットは学校の廊下で泣いていた。提出したノートに悪い点をつけられたらしい。ファルーは、弟のノートを燃やして慰めるが、それを校長先生に見つかり、叱られる。学校から出て来たファルーとアザマットは、爆弾に酒やハシシを詰めて密売しているソーダ売りのところへ行く。男から餞別をもらった二人の兄弟はいままで一緒に暮らしてきた祖母に別れを告げ、翌朝、機関車に飛び乗った。ところが機関車は途中の、駅でもないところで止まってしまう。橋の下に停車した機関車は、橋の上にある運転士ナビ(N・ベガムロドフ)の家で着替えや食料を積み込むと再び走りだす。線路沿いのトラックと競争を始めたり、悪ガキどもの襲撃に遭ったりしながらも旅を続けるファルーとアザマット、ナビの三人。何故か土を食べる奇癖を持ったかわいいアザマットと、その弟を気遣う優しいファルーは、この不思議な機関車で雄大な中央アジアの風景や人々に出会っていく。夜、とある町に到着。二人はとうとう父親(R・クルバノフ)と再会する。父親はネリー(N・アリフォワ)という見知らぬ女性と一緒に住んでいた。ファルーは父親に弟の面倒をみてくれるよう頼むが、すげなく断られる。弟もファルーと一緒に居たいと言い、二人は一緒に帰ることを約束するが、ファルーはその朝、一人で父親の家を出る。鉄橋の近くで友人と出会い、話しているうちに口論となり、殴り合いが始まる。そのとき、橋の上を機関車が音を立てて走って来た。ファルーは機関車を追いかけ飛び乗る。機関車にはアザマットが乗っていた。二人を乗せた機関車は川沿いを元気に走って行く。
「少年、機関車に乗る」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「少年、機関車に乗る」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | タジキスタン ソ連 |
製作年 | 1991 |
公開年月日 | 1993年7月17日 |
上映時間 | 98分 |
製作会社 | ソユーズテレフィルム |
配給 | ユーロスペース |
アスペクト比 | スタンダード(1:1.37) |
カラー/サイズ | モノクロ/スタンダ-ド |
音量 | モノラル |
公式サイト | http://www.khudojnazarov.com/ |
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1993年7月下旬号 |
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