富士山頂(1970)

ふじさんちょう
上映日
1970年2月28日

製作国
日本

制作年
1970
上映時間
125分

レーティング
ジャンル
文芸

check解説

新田次郎の同名小説(文芸春秋社刊)を「風林火山」の国弘威雄が脚色し、「闇を裂く一発」の村野鐵太郎がメガホンをとった人生もの。撮影は「栄光への5000キロ」の金宇満司が担当。
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この作品のレビュー

ユーザーレビュー

  • ミャーノフ大佐

     「黒部の太陽」に味を占めて企業協賛、企業礼賛映画を作ったのだろう。今回は三菱電機を前面に出して、大成建設、三菱重工業、朝日ヘリコプターが脇を固めている。特に三菱グループは石油まで三菱石油のドラムで、全面三菱マークの映画となっている。なんせ小説での主人公は気象庁の人間なのに、映画では三菱電機の技術者になっているのだから。「黒部の太陽」、「栄光への5000キロ」とこれほどに企業の提灯持ち映画って海外にあるのかな。あったとしても恥ずかしくて国外に出せないか。そういえば「fukusima50」も原発事故起こした東京電力礼賛、時の民主党政権叩きをやっていたよな。恥ずかしいなあ。「チャイナシンドローム」なんかちゃんと企業を告発しているのに。ちなみに日本の原発は日立と三菱と東芝で回しているから、政府としてはこの3企業は潰せないんだよね。
     まだこの映画は、日本が元気で高度成長期の映画だから、観ることは出来るけど。主人公は三菱電機の社員じゃなくて、大成建設の社員にした方が良かったんじゃないか。大成建設の方が苦労してたよ。製作費、三菱電機がたくさん出したからかな。あと、大蔵省主計局との予算折衝場面は面白かった。実際はどうか判らないけど、大蔵省ってあんなに威張っていたんだ。それと、製作協力に気象庁が出てくるけど、気象庁の担当者は最後に左遷される。これは大丈夫なんだ。さすが気象庁、太っ腹。
     民藝の宇野重吉がこんな企業礼賛映画に出るなんて、と思うけど、宇野重吉と裕次郎は仲が良かったんだよね。その縁で息子の寺尾聰が石原プロに入ったんだから。後、勝新とも仲良かったのかな。この映画でも勝新の存在感はあったよな。田中邦衛は「仁義なき戦い」の前だ。役者もたくさん出ていてそれなりに見応えがあったよ。

「富士山頂(1970)」のストーリー

三七七四メートルの富士山頂。ここにレーダーを設置できれば、南方八百キロメートルに近づいた台風をキャッチできる。気象庁側器課長の葛木は台風の被害を少しでも減らすべく、富士山レーダーとりつけに情熱を燃していた。大蔵省へ歩を運ぶこと三年、葛木の夢は実を結ぶこととなった。三菱電機技術部員、梅原もまた技術者の立場から富士山レーダーに情熱をかけ、大成建設の伊石とともに山頂の気圧や地盤について調査していた。建設予算二億四千万円、三菱電機、大成建設による工事が始った。霧の晴れ間を縫って朝吉の率いる荷馬車隊が登って行く。七合八勺までくると荷物は馬から強力にかわって運ばれる。そんな中で辰吉はブルドーザーを運転した。これは馬にのみ頼ってきた朝吉親分を驚かせた。零下三十度、風速は常に二十メートル。酷寒、低気圧の中で梅原らの難作業は続いた。直径九メートル、重量五百キロのドームを基礎台にはめこむ作業は技術陣を緊張させた。人々が固唾をのんで見守る中を加田が操縦するヘリコプターがゆっくり下降、ドームは土台と完全に結合した。壮挙は終った。大自然と闘って据えつけられた気象用レーダーは今、台風の砦となって活動している。

「富士山頂(1970)」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「富士山頂(1970)」のスペック

基本情報
ジャンル 文芸
製作国 日本
製作年 1970
公開年月日 1970年2月28日
上映時間 125分
製作会社 石原プロモーション
配給 日活
レイティング
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
カラー/サイズ カラー/ビスタ