解説
この作品のレビュー
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ミャーノフ大佐
拾い物の映画でした。日活の歌謡映画でプログラムピクチャーの1本なんだろうけど、面白かったよ。もうフランク永井のヒット曲を使って映画を作ろう、と考えて出来た映画でしょ。だって映画の中で霧子なんて出てこないもん。
話の筋も平凡なストーリーに味付けをして面白くしている。単純な恋愛三角関係じゃなくて、そこからさらに話を膨らませているので、観る側の興味を引きつける。でもラストはどうかな。日活アクション映画の終わり方だ。無理矢理作ったにしてはちゃんと出来ている。まあ、あんまり期待しすぎない方が良いけど。
主人公の千代に松原智恵子、その恋人菊川に山内賢、千代の姉に南田洋子、千代や菊川の働いていたナイトクラブの同僚に内藤武敏を押さえておけば良いか。後は、菊川の金持の友人で千代に惚れる男大矢木を清水将夫がやっているがあまり知らない。そして大矢木の実の母を奈良岡朋子がやっている。奈良岡は1963年に大きな息子を持つ母親役を演じていたんだ。まだ34歳だよ。北林谷栄や菅井きんみたいに若い頃から老け役をやっていたんだ。
千代の実家が佃島で、畳職人の祖父と姉と一緒に暮らしている。で、この実家の奥から玄関までを仰瞰で撮っているところは小津の映画を思い出してしまった。また、佃島の古い町の雰囲気は成瀬巳喜男の「流れる」を思い出した。映画の撮影で意識したのだろうか。そして築地と佃島の間を船で通うというのは時代を感じさせるなあ。これも先日観た「半処女」では浅草と向島を同じく船で渡っていた。東京オリンピックの前だと、まだ都市のインフラが整備されていなかったんだなあ。
主人公である松原智恵子が可愛いのはもちろんなんだけど、拾い物が内藤武敏だ。彼が歌うシーンがあるんだけど、これが上手いんだよね。吹き替えじゃないと思うんだけど。それに当たり前だけどフランク永井が上手いなあ。この頃は30歳くらい。こんな若い頃からあんな低音の魅力を出せていたんだ。
「霧子のタンゴ」のストーリー
「霧子のタンゴ」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「霧子のタンゴ」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ラブロマンス |
製作国 | 日本 |
製作年 | 1963 |
公開年月日 | 1963年8月25日 |
上映時間 | 86分 |
製作会社 | 日活 |
配給 | 日活 |
レイティング | |
アスペクト比 | シネマ・スコープ(1:2.35) |
カラー/サイズ | シネスコ |