解説
村松梢風の同名小説より、「悪名波止場」の依田義賢が脚色、「あの人はいま」の大庭秀雄が監督した名作の映画化。撮影は、「結婚式・結婚式」の厚田雄春。
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「残菊物語(1963)」のストーリー
尾上菊之助は、養子ながら五代目菊五郎の後継者として、苦労なく育ったが、上すべりな人気に思い上っていた。しかし、弟幸三の若い乳母お徳に真実のこもった忠告の言葉を聞かされ、自分の不覚を悟り、お徳へ言い知れぬ想いを抱くようになった。かくて養父と衝突した菊之助は、単身大阪の尾上多見蔵の許へ走った。一年後東京での人気に代る予想以上の不評に、菊之助は我が身の実力を目のあたりに見る思いだった。そんな菊之助を気遣ったお徳は、菊之助を訪ね、二人はあんま元俊の二階を借り、晴れて夫婦となった。折りも折、頼る多見蔵の急死に逢い、遂に菊之助は大坂にも居ることが出来ず、旅廻りに身を落した。長旅にお徳は胸を病み、菊之助は荒んでいった。そんな時、名古屋で菊之助の親友福助の一行に会ったお徳は、福助に菊之助の復帰を頼み込んだ。本舞台での菊之助の懸命の演技は認められ、やっと菊之助の東京復帰の夢がかなえられる日がきた。しかし、お徳は出発の汽車に姿を現わさなかった。お徳が身をひくという犠牲があってこそ、菊之助の復帰は許されたのだった。五代目菊五郎の大阪初下りの日、お徳はひとり菊之助との思い出の二階に伏せっていた。知らせを聞いた菊之助に菊五郎は初めて言った。「菊今日の主役は六代目になるお前ヱだぜ。女房に逢って来てやれ」病気やつれしたお徳に、養父の許しを知らせ、菊之助は晴れの船乗り込みに臨んだ。うらぶれた二階の床に、船乗り込みのおはやしが何時までも聞えていた。その船の上で笑顔で挨拶をくりかえす菊之助の眼に、お徳の愛を想う涙がひかっていた。
「残菊物語(1963)」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「残菊物語(1963)」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 1963 |
公開年月日 | 1963年10月17日 |
上映時間 | 104分 |
製作会社 | 松竹・京都 |
配給 | 松竹 |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | シネマ・スコープ(1:2.35) |
カラー/サイズ | カラー/シネスコ |
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