半処女

はんしょじょ
上映日
1953年8月25日

製作国
日本

制作年
1953
上映時間
94分

レーティング
ジャンル
ドラマ

check解説

「さすらいの旅路」の岸松雄と「現代処女」の赤坂長義の脚本を、「残波岬の決闘」でデビューした内川清一郎が監督し、「アチャコ青春手帳第四話 めでたく結婚の巻」の岩佐一泉が撮影している。出演者は「さすらひの湖畔」の南風洋子。「花嫁の性典」の左幸子、片山明彦のほかに、OSKより初登場の安西郷子、ニューフェイス城実穂など。
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この作品のレビュー

ユーザーレビュー

  • ミャーノフ大佐

     何度も言うけど、なんで新東宝の映画ってタイトルが変なの?この映画だってもっとまともなタイトルにすれば良いのに。
     この映画の製作が1953年なのですでに朝鮮戦争による景気で日本国内も徐々に復興していった頃か。すでに金持と貧乏人とに階層が別れていて、医者の娘である日佐子(南風洋子)は葉山に別荘も持つ裕福な家庭で、靖子(南寿美子)は厳格な父の元で育った中流家庭の子、美代(城実穂)は置屋を営む母親の元で育てられた子、圭子(左幸子)は戦災で両親を失い、引き上げてきた兄とその友人隆と一緒にボロアパート一間に住む快活な子。それぞれ家庭環境が変わっても同じ高校の友人として付き合っている。この辺りが戦後民主主義を表しているなあ。今だったらもう階層別に友人関係が出来てしまうだろうから。そして一番貧しい圭子の家族が一番生き生きしている。圭子の兄、宏を沼田曜一が演じているが、いつもの癖のある役ではなくて爽やかな青年を演じていて、凄く気持ちいい。バイプレイヤーでも良いけど、たまにはこういう沼田曜一を見たいよな。そしてパンパンで宏に恋心を抱くリリー(安西郷子)が愛しい。
     舞台は上野周辺から隅田川くらいまで、リリーは病気で隅田川対岸の病院に入院しているが抜け出して宏に会いに来る。なんと健気なことか。リリーの年齢設定も先の女子学生4人組と同じ設定にしている。戦後の混乱でパンパンにまで落ちてしまった女も上流の女も同じに描いてくれている。リリーの切なさに泣けてくる。リリーと言えば「男はつらいよ 寅次郎忘れな草」の浅丘ルリ子もリリーだったなあ。彼女もドサ回りの歌手で登場シーンはどこか影のある女性だったなあ。
     この映画はリリー、圭子、宏、隆の順に肩入れするなあ。でも、存在感は圧倒的に左幸子でした。と言うより南風洋子ってなんであんなに美人じゃないの?昔はあの顔が美人だったの?
     そうそう、同じ高校に通っているのに皆制服が違うのはなんで?あの時代は何でも良かったのかな。

「半処女」のストーリー

焼けつくような葉山の砂浜に男女学生達がはね廻っている。日左子の別荘へ高校最後の夏休を送ろうと友達の美代、靖子、圭子とその兄宏とその友の隆が来ている。日佐子の兄明と靖子は恋人で、二人は夜の浜辺で激しく接吻し合う。圭子と隆は兄妹のようであるが、隆が美代や日佐子と楽しげに遊んでいる姿には、嫉妬の眼を向けるのであった。日佐子は宏と二人になる機会が欲しかったが、潔癖な彼女には宏が闇の女リリーと知り合いなのが気になっていた。性病と肺病に冒されて希望なく打沈むリリーは、優しい露天商の宏を慕っていたのだ。二学期が始ったが、学費のない圭子は皆に黙って女給というアルバイトを始めるが、隆に「圭子はもっと自分を大切にしなければいけないんだ」と言われると素直に肯くのだった。靖子は顔色が悪いのを妊娠と騒がれ、途方に暮れてプールの飛込台に倒れてしまう。靖子は実は妊娠していなかった。しかし責任に感動した明は結婚させて下さいと靖子の父に真剣に頼み、遂に許されるのだった。美代は家庭の事情で、大学行を止めて芸者になる決心をする。リリーは死に、圭子と隆は結婚することになった。今まで三人共同でくらしてきたバラツク小屋から引越す宏に、ふとかけよってきた日佐子が快く手を貸すのだった。

「半処女」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「半処女」のスペック

基本情報
ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1953
公開年月日 1953年8月25日
上映時間 94分
製作会社 新東宝
配給 新東宝
レイティング
カラー/サイズ モノクロ

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