解説
就職難の世相を諷刺的に描いた喜劇。井上薫・新井一の脚本を、「恋は異なもの味なもの」の瑞穂春海が監督、「暖簾」の岡崎宏三が撮影した。主演は「駅前旅館」のフランキー堺、「杏っ子」の香川京子。その他中田康子・河内桃子・藤木悠らに新人の谷美也子が出演。
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「フランキーの僕は三人前」のストーリー
下宿の窓から「求職」の風船を上げて、果報を寝て待っている晋吉の所へ、三つも傭い口が転がりこんだ。新々製薬では新薬のモルモット代用、鶴亀金融は出資者集めの外交員、下宿の娘時子の勤務先昼夜倉庫は夜警。時子にどやされて、晋吉は三つともやることに決めた。彼は三人前になったのである。早朝から外交に出向き、山路はるかなる女性をたずねると、なんとこの女、鶴亀金融社長の情婦であった。彼ははるかの御意に叶つた。と、社長鶴亀氏の御入来。這々の体で新々製薬に駈けつけると、スリーマン・デラックスなる精力回復剤を飲まされた。と、利き目は確か、晋吉は疲労を回復したのである。この新薬はジョージ宮田なる居留外国人の密輸品だが、たまたま昼夜金庫に品物を置いているため、取引したい新々製薬が資金に困っていることを時子が耳にしてくる。新々製薬と鶴亀金融の間をとりもち出世の道を計るべきだと、時子の速断は下った。晋吉は、はるかから鶴野社長を攻略、契約を取りかわす所までこぎつけた。金策の出来た新々製薬では、ジョージ宮田と会って取引をまとめるため、熱海へ向った。功により係長の席を与えられた晋吉も同道したが、熱海ではるかに出会ってしまった。その時、彼は夜警の勤務を思い出し、その場を逃れた。が、その夜スリーマン・デラックスは密輸品として警察に押収された。ために、晋吉への風当りがきびしくなった。勝手なことをいわれてむかっ腹を立てた晋吉は、新々製薬に辞表をたたきつけた。鶴亀金融もやめた。時子は時子でいうのである。「夜警の退職届出しておいて上げたわ。結婚しても夜のお勤めじや味気ないもの……」プロポーズだった。また明日から風船を上げるさ--職を失ったが、至極晋吉はのんきである。時子がそばに附いているかららしい。
「フランキーの僕は三人前」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「フランキーの僕は三人前」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | コメディ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 1958 |
公開年月日 | 1958年10月14日 |
上映時間 | 85分 |
製作会社 | 東京映画 |
配給 | 東宝 |
レイティング | |
アスペクト比 | シネマ・スコープ(1:2.35) |
カラー/サイズ | モノクロ/シネスコ |
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1958年8月上旬号 | 日本映画紹介 僕は三人前 |