ミリキタニの猫
みりきたにのねこ THE CATS OF MIRIKITANI
解説
アメリカ、ニューヨークに実在する反骨の日系人ホームレス画家ジミー・ツトム・ミリキタニ。彼の数奇な人生と過去をめぐるドキュメンタリー。製作・監督は長年ドキュメンタリーの分野で活躍してきたリンダ・ハッテンドーフ。DVから35mmへのキネコ。2016年8月27日より10周年記念アンコール上映(配給:湖畔八丁目/同時上映「ミリキタニの記憶」)。
ユーザーレビュー
「ミリキタニの猫」のストーリー
2001年9月11日、アメリカ同時多発テロ。世界貿易センターが瓦解し緊張状態に包まれたその日でも、彼は平然と路上で絵筆を動かしていた。彼の名前はジミー・ツトム・ミリキタニ。「戦争ではなくアートを創りだす」をモットーに路上画家をしている80歳の日系人ホームレス。彼自身とその絵にリンダ監督は興味を持ち、彼を自宅に招く。そこで、今まで語られることのなかったミリキタニの数奇な過去を知る。カリフォルニアで生まれ米国籍を持ちながら、戦争中は日系人強制収容所に入れられた。アメリカそのものに抵抗するべく、自ら市民権を捨てた。そのときから彼の反骨人生はスタートした。癒えない傷と怒り、そして平和への願いが、彼が絵を描く原動力となっていった。そこからリンダ監督の家にミリキタニが引っ越してきて、少し奇妙な共同生活がはじまる。インタビューを進めていくと、ミリキタニはこうも言った。9.11テロの後、アラブ系移民に対する迫害や偏見が増していく中、かつてアメリカにも同じようなことがあった、と。少年時代を日本の広島で過ごしたミリキタニは、戦争によって収容所に押し込められ、思い出の街を原爆で失ってしまった──戦争や差別の怖さをよく知っていてもなお、彼は負けることなく、アメリカで生き続ける道を選んだ。路上画家として絵を描く彼の作品には、多くの猫が登場する。もちろん彼が猫好きというのもあるのだが、さらに話を聞いていくうちに、収容所で猫の絵をよくせがんできた少年の思い出が影響していることがわかってくる。
「ミリキタニの猫」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「ミリキタニの猫」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | 社会派 アート |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2006 |
公開年月日 | 2007年9月8日 |
上映時間 | 74分 |
配給 | パンドラ |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | 4:3 |
カラー/サイズ | カラー |
音量 | ステレオ |
公式サイト | http://nekonomirikitani.com/ |
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2007年9月下旬号 |
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