解説
中国と台湾の歴史に翻弄されながら生きるある家族の姿を描く「トゥヤーの結婚」のワン・チュエンアン監督作。出演は「ジョイ・ラック・クラブ」のリサ・ルー、台湾で歌手、プロデューサーとして活躍してきたリン・フォン、中国のベテラン俳優シュー・ツァイゲンなど。2010年(第60回)ベルリン国際映画祭銀熊賞(最優秀脚本賞)受賞作。
ユーザーレビュー
「再会の食卓」のストーリー
上海で暮らすユィアー(リサ・ルー)のもとに一通の手紙が届く。そこには、かつて生き別れた夫・イェンション(リン・フォン)が40数年ぶりに台湾から帰ってくると記されていた。しかし、ユィアーにはすでに新しい家族がいた。夫・シャンミン(シュー・ツァイゲン)、イェンションとの息子である長男・ジュングオ、二人の娘、娘婿、そして二人の孫。慎ましくも平穏に暮らす一家にとってイェンションの来訪は驚き以外の何物でもなかったが、心優しいシャンミンの計らいで、馳走を振る舞い、寝床を用意し、精一杯イェンションをもてなすのだった。イェンションは長い台湾生活によって、上海語が話せず、聞き取るのがやっとの状態になっていた。高層ビルが建ち並ぶ街並みにもかつての面影を見出すことはできない。イェンションは、ユィアーたちが購入したという建設中の高層マンションを見学に行くが、その時、ユィアーを台湾に連れて行くために来たのだと本音を切り出す。イェンションが国民党軍の兵士だったため、中国に残されたユィアーの人生は過酷なものだった。文化大革命の時には身投げを考え、それを救ってくれたのがシャンミンだった。しかし、イェンションの予期せぬ告白に「生き延びるだけで精一杯だったわ。幸せだったのはあなたと過ごした日々だけ」と、ユィアーの心は揺れ動く。国民党軍兵士の元妻を娶ったことで、出世をあきらめることになったシャンミンは決して裕福ではなかった。しかし、いつもなら手を出せない高級な蟹を市場で買い、イェンションに振る舞った。食事の席でイェンションから話を切り出されたシャンミンは「ユィアーのしたいようにすればいい。もうわしと苦労することはない」と静かに答えるのだった。猛反対する娘、自分には関係ないとうそぶく長男、金銭で解決しようとする娘婿。円満だったはずの一家がにわかに揺れ始める。果たして、ユィアーが下した決断とは……。
「再会の食卓」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「再会の食卓」のスペック
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