解説
「シラノ・ド・ベルジュラック」のスタンリー・クレイマーが、1952年に製作した西部劇で、監督は「暴力行為」のフレッド・ジンネマン。ジョン・W・カニンガムの短編小説に基づいて「シラノ」のカール・フォアマンが脚色した。音楽の作曲と指揮は「井戸」のディミトリ・ティオムキンで、主題のバラード『ハイ・ヌーン』はティオムキン作曲、ネッド・ウォシントン作詞。撮影はフロイド・クロスビーの担当。主演は「誰が為に鐘は鳴る」のゲイリー・クーパーで、トーマス・ミッチェル(「風と共に去りぬ」)、ロイド・ブリッジス(「拳銃45」)、メキシコ出身のカティ・フラドー、テレビ・スターから映画入りした新進グレイス・ケリー、オットー・クルーガー(「ヴァレンチノ」)、ロン・チャニイ、ヘンリー・モーガン、アイアン・マクドナルドらが助演。
この作品のレビュー
ユーザーレビュー
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89bubble93
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ミャーノフ大佐
なんと映画の最初に登場するのがリー・ヴァン・クリーフではありませんか。ウェキおじさんに聞くと、これがデビュー作だって。若い時から変わらないなあ。カッコいい。西部劇の悪役と言えば、彼かジャック・パランスだよね。他の役者はわからなくても、リー・ヴァン・クリーフはすぐわかる。残念なのは、最初に殺されてしまう。
それにしても、ストーリーもよく出来てるし、脚本も良いし、カットバックの多用で緊張感を盛り上げて行っている。12時までのじりじりした展開と、時間が近づくにつれてカットバックが多くなってくる。ストーリーは西部劇版「民衆の敵」というところか。最後、主人公の態度で溜飲が下がる。
「真昼の決闘」と「荒野の決闘」とごちゃごちゃになっていた。「荒野の決闘」は「いとしのクレメンタイン」でリバイバルされた時に見ているが、それを「真昼の決闘」と勘違いしていた。今回、どっちがどっちかハッキリとわかりました。
「真昼の決闘」のストーリー
1870年、西部のハドリーヴィルの町、ある日曜日の午前のことである。この町の保安官ウィル・ケイン(ゲイリー・クーパー)は、事務所でエミイ(グレイス・ケリー)と結婚式を挙げていた。彼は結婚と同時に保安官の職を辞し、他の町へ向かうことになっていた。突然、そこへ電報が届いた。ウィルが5年前に逮捕して送獄した無頼漢フランク・ミラーが、保釈されて正午到着の汽車でこの町に着くという知らせだった。停車場にはミラーの弟ベンが仲間の2人と、到着を待っていた。時計は10時40分。ウィルは再び保安官のバッジを胸につけた。エミイはウィルに責任はないと言って、共に町を去ろうと主張したが、彼は聞き入れなかった。エミイはひとり正午の汽車で発つ決心をし、ホテルで汽車を待つ間、ウィルのもとの恋人で、今保安官補ハーヴェイ・ベル(ロイド・ブリッジス)と同棲しているメキシコ女ヘレン・ラミレス(ケティ・フラドー)と会い、彼女も同じ汽車で町を去ることを知った。一方、ウィルは無法者たちと戦うため、助勢を求めて、酒場や教会を訪れ、最後に2人の親友に頼み込むが、みんな尻ごみして力になってくれない。彼は1人で立ち向かう決心をして遺言状を書きつづった。時計が12時を指すと共に汽笛がきこえた。停車場からミラーが降り立ち、入れ替わりにエミイとヘレンが乗った。エミイは一発の銃声を聞くといたたまれず汽車から降り、町へ走った。ウィルは2人を倒し、エミイの機転であとの2人も射殺した。戦い終わって町の人々がおそるおそる集まってくるうちをウィルとエミイは黙ったまま馬車を駆って去って行った。
「真昼の決闘」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「真昼の決闘」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | 西部劇 |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 1952 |
公開年月日 | 1952年9月16日 |
上映時間 | 85分 |
製作会社 | ユナイテッド・アーチスツ映画 |
配給 | ユナイテッド・アーチスツ日本支社=松竹 |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | スタンダード(1:1.37) |
カラー/サイズ | モノクロ/スタンダ-ド |
音量 | モノラル |
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