制作年: 1996
夫との間に溝ができているベストセラー作家が、愛への固執と孤独の中で自らの行き方を模索し、故郷と母を通して自分本来の幸せを見い出すまでを綴ったメロドラマ。監督・脚本は「ハイヒール」「キカ」のペドロ・アルモドバルで、彼特有の大胆な語り口と奇抜な映像センスがやや後退し、ストレートな作風ながらもポップさが生かされた1編となっている。撮影は「アントニオ・ダス・モルテス」「愛の拘束」のアフォンソ・ベアト、音楽は「愛よりも非情」のアルベルト・イグレシアス。衣裳はウーゴ・メスクアが担当し、イタリアを代表するアパレル・ブランド、マックス・マーラやエルメネジルド・ゼニアのデザインによるワードローブが使用されている。主演は「バチ当たり修道院の最期」「ハイヒール」に続いて監督とは3作目となるマリサ・パレデス。「欲望の法則」ロッシ・デ・パルマ、「セクシリア」のイマノル・アリアス、「バチ当たり修道院の最期」のチェス・ランプレアベらアルモドバル作品の常連たちが脇を固めるほか、現代スペインを代表するフラメンコの若き貴公子ことホアキン・コルテスが出演し、やはりフラメンコの名手マヌエラ・バルガスと見事な踊りを披露している。