柄本佑 エモトタスク

  • 出身地:東京都
  • 生年月日:1986/12/16

略歴 / Brief history

京都の生まれ。父は俳優の柄本明、母は女優の角替和枝、3歳下の弟も俳優の柄本時生という芸能一家に育つ。和光高校在学中の2001年、黒木和雄監督「美しい夏キリシマ」のオーディションを受け、合格。爆撃で命を落とした親友に対する負い目を背負いながら終戦末期の日常を生きる少年の不安と虚無を生々しく演じ、劇場公開された03年にキネマ旬報賞新人男優賞などを受賞する理想的なデビューを飾った。以後、映画を中心にメジャーからインディペンデントまで多数の作品に参加。05年には若松孝二監督たっての希望で「17歳の風景・少年は何を見たのか」に主演し、母親をバットで撲殺した17歳の少年が自転車で北陸まで逃走したという実在の事件をモチーフに、ほとんど台詞がなく、ひたすら自転車を漕ぎ続ける主人公の少年を演じて注目を集める。その後の主演作には、釜山を旅して謎めいた女性に恋をする青年を演じた武正晴監督「ボーイ・ミーツ・プサン」06、赤ん坊だった頃の自分を誘拐した女性と奇妙な関係を育む若松節朗監督「子宮の記憶・ここにあなたがいる」06などがある。両親ともに演劇畑という環境に育った影響と、父親譲りの飄々とした風貌からか、メジャー作品やテレビドラマでは印象的な脇役が多く、時として主役を喰う存在感も発揮。生真面目な仇討ち代理人を演じた熊切和嘉監督「フリージア」06、地方都市の在日ヤクザの息子役の日韓合作「ノーボーイズ,ノークライ」09、親に片目をえぐられた青年を演じた大森立嗣監督「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」10などが印象深い。10年、大ブームを巻き起こしたNHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』では、水木しげるのアシスタントを最も長くつとめた、通称“点々の菅ちゃん”役でレギュラー出演し、凡人の悲哀を軽妙に表現して、お茶の間の幅広い人気を得た。

柄本佑の関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • ゆきてかへらぬ

    制作年: 2025
    根岸吉太郎が「ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~」以来、16年ぶりにメガホンを取り、長年眠っていた田中陽造の脚本を映画化。新人女優の長谷川泰子と不世出の詩人・中原中也、文芸評論家の小林秀雄。1人の女と2人の男が織りなす愛と青春のドラマ。出演は「キリエのうた」の広瀬すず、「先生!口裂け女です!」の木戸大聖、「ラストマイル」の岡田将生。
    70
  • 野生の島のロズ

    制作年: 2024
    ピーター・ブラウンによる童話『野生のロボット』シリーズをドリームワークス・アニメーションがアニメ映画化。野生の島で起動した最新型アシスト・ロボットのロズは、動物たちと共生し、優しさや愛情を理解し始める。ところが、彼女の島に危機が迫っていた。監督・脚本は、「ヒックとドラゴン」シリーズのクリス・サンダース。声の出演は、「クワイエット・プレイス:DAY 1」のルピタ・ニョンゴ、「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」のペドロ・パスカル、「ビートルジュース ビートルジュース」のキャサリン・オハラ。
  • 春画先生

    制作年: 2023
    「さよならくちびる」の塩田明彦が監督、性風俗を題材にした春画に魅せられた者たちを描くコメディ。春野弓子は変わり者として知られる春画研究者・芳賀一郎から春画鑑賞を教わり彼に恋心を抱くが、彼の亡き妻の姉・一葉や編集者・辻村が現れ波乱が起きる。妻を亡くしますます研究に没頭する春画研究者・芳賀一郎を『きのう何食べた?』の内野聖陽が、芳賀の弟子・春野弓子を「ペンギン・ハイウェイ」で主人公の声を担当した北香那が演じる。全国公開される商業映画作品として日本映画史上初めて浮世絵春画が無修正で登場する。
  • 花腐し

    制作年: 2023
    松浦寿輝の第123回芥川賞受賞作を、数々の脚本を手がけ「火口のふたり」などではメガホンを取った荒井晴彦が、斜陽のピンク映画界を背景に取り込み映画化。ピンク映画業界で生きる監督・栩谷と脚本家志望だった伊関は、同じ女を愛していたことに気付き……。“花腐し”とは『万葉集』に登場する五月雨の表現で、きれいに咲いた卯木の花をも腐らせてしまうじっとりと降りしきる雨を表している。5年映画を撮っていない映画監督・栩谷を「ホムンクルス」の綾野剛が、かつてシナリオを書いていた伊関を「火口のふたり」で主演を務めた柄本佑が、二人が愛した女優・祥子をほな・いこか名義で音楽活動をするほか「愛なのに」などに出演するさとうほなみが演じ、二人の男と一人の女の愛の物語を紡ぐ。
  • シン・仮面ライダー

    制作年: 2023
    1971年の放送開始から50周年を迎えた2021年、新たに劇場映画として製作が発表された「仮面ライダー」。『エヴァンゲリオン』シリーズ、「シン・ゴジラ」の庵野秀明が新たな解釈で監督・脚本を担う。原作・石ノ森章太郎、出演は、池松壮亮、浜辺美波、柄本佑、森山未來、西野七瀬、手塚とおる、塚本晋也、松尾スズキほか。
  • ippo

    制作年: 2022
    俳優の柄本佑が、劇団「東京乾電池」所属し、ユニット「曖昧なカンパニー」を主宰する劇作家・演出家の加藤一浩の3本の演劇戯曲を原作に映画化した短編連作集。3 本すべてが男ふたりの物語であり、「ムーンライト下落合」で久々に再会する友人ふたりに加瀬亮と宇野祥平、「約束」の兄弟に渋川清彦と柄本時生、「フランスにいる」画家とそのモデルに加藤一浩と高良健吾が出演。スタッフは柄本佑が主演を務めた「きみの鳥はうたえる」の四宮秀俊が全編撮影を担当。助監督として、「きみの鳥はうたえる」の映画監督・三宅晶、俳優・映画監督の森岡龍が1本目の「ムーンライト下落合」に参加するなど、柄本佑のキャリアとネットワークを最大限に生かした布陣になっている。