制作年: 2005
廃材を使用し、あらゆる場所に無断で住居を建設することで消費社会へ対する強烈なメッセージを発信するデンマークのアダムス&イッツォなど世界各地で活動するエッジなストリート・アーティストを追った社会派ドキュメンタリー。監督は、世界中のアンダーグラウンドミュージシャンたちのプライベートを追った『STOCKTOWN』やブラジルで社会問題化している新種のダンスミュージック『BAILE FUNK』などを手がけているアンドレアス・ジョンセン。巨大看板広告、大量のコマーシャル、消費社会の象徴でもある広告に生活は汚染されている。そんな社会や差別、権力に対抗する手段としてグラフィティは生まれた。その後グラフィティカルチャーは、バスキアやキース・ヘリングなどの著名なアーティストを生み出し、瞬く間に世界中の都市に拡がった。だが、アートとして認知される一方で(公共物破壊)軽犯罪法に抵触するという社会問題のジレンマに、常に悩まされてきた。グラフィティが問題なのか、それともこの社会が問題なのか……。「人々は誇大広告のもたらす潜在的な影響力に気づいていないんだ。僕は赤いスプレーで広告モデルたちの額に点を打って[殺す]ことで、広告の力を剥奪するんだ」パリのゼウス続けるパートの中年、タグの除去作業を行う清掃作業員たちにもインタビューを敢行、メインストリームの社会とストリートアートの共存の難しさを浮き彫りにすることにより、アート業界のシステムに組み込まれることへのジレンマを抱えるアーティストたちの心の内も描いている。