制作年: 2008
第二次世界大戦下の日系人収容所の様子を捉えた写真と共に、収容されていた人たちや関係者の証言を交えながら、収容所の真実を描いたドキュメンタリー。収容所では禁じられていたカメラを、隠し持ったレンズで自ら作り撮影したカメラマン・東洋宮武が残した写真を手がかりに、当時の時代と収容所の日本人、日系人の生活が語られる。また、東洋と親交のあった20世紀写真界の巨星、アンセル・アダムスやエドワード・ウェストンの作品も登場する。企画・脚本・監督は「マリリンに逢いたい」のすずきじゅんいち。音楽を「宋家の三姉妹」の喜多郎が担当した。1942年。アメリカ政府は、鉄条網と監視塔に囲まれた収容所に在米日本人、日系人を強制的に押し込めるという政策を実施。10ヵ所の収容所に入れられた約12万人の半分以上(64%)がアメリカ市民権を持った人たちであり、東洋宮武とその家族もカリフォルニア州・マンザナ収容所に収監された。彼は同じ収容所に入れられていた大工にカメラボディの作成を依頼、自ら隠し持ったレンズを使い手製のカメラを作り上げる。そのカメラと隠し持って入ったフィルムとで、彼は収容所の実態を撮影した。それは、フィルムなどを密かに届けてくれた白人の友人や、収容所の警察隊の協力なしには出来ないことであり、その後、東洋は写真に理解のある収容所所長の許可を得て、公式カメラマンとなり、収容者たちの日々の生活を写し撮っていく。「二度と起こってはならないこの事実をカメラで撮影するのがカメラマンとしての務めだ」という言葉を、今でも息子のアーチーミヤタケは記憶しているのだった……。