制作年: 2020
アウシュヴィッツ強制収容所を脱走した二人の若いスロバキア系ユダヤ人のレポートによって、12万人のユダヤ人の命が救われた実話を映画化。スロバキア人のペテル・ベブヤクが監督を務め、第93回アカデミー賞国際長篇映画賞のスロバキア代表作品に選ばれた。脱走を実行する二人を、「オフィーリア 奪われた王国」のノエル・ツツォル、新人のペテル・オンドレイチカが熱演。二人を救済する赤十字職員には「ハムナプトラ」シリーズのジョン・ハナーが好演している。二人のレポートは、通称「アウシュヴィッツ・レポート」と呼ばれる「アウシュヴィッツ・プロトコル(Auschwitz Protocols)」を構成する報告書の一つで、1944年4月に、アウシュヴィッツを脱走したアルフレート・ヴェツラーとヴァルター・ローゼンベルク(後に、ルドルフ・ヴルバに改名)の二人によって、収容所の内部やガス室の詳細などをまとめたもの。このレポートによって、ハンガリーのブダペストからアウシュヴィッツへの移送が中止となり、約12万人の命を助ける結果となった。正式には、44年11月に米国戦争難民委員会から発表・出版。収容所内部の詳細が描かれていたため、戦後1945年に行われた歴史的なニュルンベルク裁判においても証拠として用いられた。