制作年: 1959
地球を訪れた宇宙人が巻き起こす“第9計画”のてん末を描いた低予算SFホラー映画の怪作中の怪作。80年にアメリカで出版された単行本『ゴールデン・ターキーアワード』(邦訳未訳)で見事(?)“史上最低の映画”に選ばれた、“史上最低の映画監督”エドワード・デイヴィス・ウッド・ジュニアことエド・ウッドの代表作。物語・セリフ回し・役者の演技・セット…等々、どこを取っても学生の8ミリ映画以上に馬鹿馬鹿しく下らないが、それが何よりのみものとあって製作後30年以上経過した現在もカルト的人気を誇っている。監督・製作・脚本・編集はウッド、エグゼクティヴ・プロデューサーはJ・エドワード・レイノルズ、撮影はウッドのデビュー作「グレンとグレンダ」はじめ、「怪物の花嫁」にも参加したウィリアム・C・トンプソン、音楽監修はゴードン・ザーラー、美術はトム・ケンプ、録音はデイル・ナイト、特殊効果はチャールズ・ダンカン。出演は唯一の職業俳優グレゴリー・ウォルコットのほかは、「怪物の花嫁」でウッド組の仲間入りを果たした元レスラーのトー・ジョンソン、テレビの人気パーソナリティーだったが本作製作当時は赤狩りで干され、生活のためにやむなく出演した女優ヴァンパイラ、ウッドの友人でテレビで“予言者”として人気者だったクリズウェルといった私生活でもウッドの友人だったキワモノの有名人が顔をみせる。また、本作製作以前に死去した古典ホラー映画の名優にしてウッドの親友だったベラ・ルゴシが、生前に残したストック・フィルムを流用した場面で登場。ルゴシの代役はウッドの整骨医だったトム・メイソンが顔をケープで隠してつとめた。2019年12月、新宿シネマカリテにて特集上映【サイテー映画の大逆襲2020!】で、HDリマスター版上映。(配給:エデン)