ヴェネチア銀獅子賞! ドレフュス事件を映画化したポランスキー新作
- ロマン・ポランスキー , オフィサー・アンド・スパイ , ルイ・ガレル , ジャン・デュジャルダン
- 2022年03月24日
第76回ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞(審査員大賞)に輝き、物議を醸したフランスでは第45回セザール賞3部門(監督・脚色・衣装)受賞。歴史的冤罪事件“ドレフュス事件”を映画化したロマン・ポランスキー監督最新作『An Officer and a Spy』(英題)が、「オフィサー・アンド・スパイ」の邦題で6月3日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほかで全国公開される。
19世紀末のフランスを舞台に、不屈の信念で巨大権力と闘った男の逆転劇を描く「オフィサー・アンド・スパイ」。ドイツに機密を漏洩したスパイ容疑で終身刑となったユダヤ人大尉ドレフュス役に「パリの恋人たち」のルイ・ガレル、権力に抗いながら真実を追求するピカール中佐役に「アーティスト」のジャン・デュジャルダンを迎え、巨匠ポランスキーがサスペンスフルに描き出す。
解禁された特報は、ドレフュスとピカールの熱い逆転劇を予感させる内容。メインビジュアルでは、向き合うふたりの間に「私は告発する」のコピーが据えられた。この言葉は、映画にも登場する作家エミール・ゾラがドレフュスの無実を訴えようと大統領に送った公開告発状から取られており、フランスではタイトルに採用されている。日本公開に際しては、フランス現代史を専門とし、反ユダヤ主義関連の研究でも知られる思想家の内田樹氏が字幕を監修。歴史的事件が映画でいかに甦るのか、注目したい。
ドレフュス事件とは?
1894年フランスで、ユダヤ系のドレフュス大尉がドイツのスパイとして終身刑に処せられる。1896年に真犯人が現れるが軍部が隠匿。これに対し小説家ゾラや知識人らが弾劾運動を展開し、政治的大事件となった。1899年、ドレフュスは大統領の恩赦により釈放。1906年に無罪が確定した。2021年10月には本国で、その生涯に敬意を表するドレフュス博物館が開館。マクロン大統領も来訪し「記憶伝承の場」と世界に訴えた。

Story
1894年フランス。ユダヤ系の陸軍大尉ドレフュスが、ドイツに軍事機密を流したスパイ容疑で終身刑を宣告される。だが対敵情報活動を率いるピカール中佐は、ドレフュスの無実を示す衝撃的な証拠を発見。上官に対処を迫ると、国家的スキャンダルを恐れて隠蔽を目論む上層部に左遷を命じられてしまう。すべてを失ってもなおドレフュスの再審を願うピカールは、作家のゾラらに支援を求めるも、行く手には腐敗した権力や反ユダヤ勢力との過酷な闘いが待ち受けていた……。
「オフィサー・アンド・スパイ」
監督:ロマン・ポランスキー
脚本:ロバート・ハリス、ロマン・ポランスキー
原作:ロバート・ハリス「An Officer and a Spy」
出演:ジャン・デュジャルダン、ルイ・ガレル、エマニュエル・セニエ、グレゴリー・ガドゥボワ、メルヴィル・プポー、マチュー・アマルリック
2019年/フランス・イタリア/仏語/131分/4K 1.85ビスタ/カラー/5.1ch/原題:J’accuse
日本語字幕:丸山垂穂 字幕監修:内田樹
提供:アスミック・エース、ニューセレクト、ロングライド 配給:ロングライド
公式サイト:longride.jp/officer-spy/
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