“銃は善なり、性器は悪なり”。「未来惑星ザルドス」奇々怪々な予告編公開
- シャーロット・ランプリング , 未来惑星ザルドス , ショーン・コネリー , ジョン・ブアマン , ジェフリー・アンスワース
- 2022年10月14日
「殺しの分け前/ポイント・ブランク」(67)や「脱出」(72)の異才ジョン・ブアマンが、ショーン・コネリー主演で撮り上げたSF巨編「未来惑星ザルドス」(74)が、11月4日(金)よりシネマート新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかで全国順次公開。日本オリジナルの新予告編が到着した。
1974年の初公開時、「未来惑星ザルドス」には2つの予告編が作られた。最初は【特報】と呼ばれる1分弱のバージョンで、タイトル・デザイナーのパブロ・フェッロ(1935〜2018)が手掛けた。「ブリット」(68)のオープニングや「真夜中のカーボーイ」(69)のグラフィック効果、さらにスタンリー・キューブリック監督の「博士の異常な愛情」(64)のタイトル・デザイン、「時計じかけのオレンジ」(71)の予告編制作でも名高いフェッロ。それまでブアマン作品と縁のなかった彼の起用は、ノンクレジットで友人ブアマンに協力したキューブリックのアドバイスと推察される。
この【特報】は本編映像を使わず、原題ロゴにさまざまな特殊効果を施したアニメーションが中心で、作品内容はキーワードを使って暗示するにとどめている。次に作られた、本編映像をダイジェストした長いバージョン=【予告編】にフェッロは関与しなかったが、【特報】のアニメーションは流用されている。
今回の日本オリジナル新予告編は、この2つ目の【予告編】をベースに制作された。前半は【予告編】とほぼ同じ流れだが、後半は新たな構成となっている。
“ザールドース、ザールドース”という唸り声とともに原題ロゴのアニメーション映像が流れ、浮遊した巨大神ザルドスが映し出される。「ザルドスは語り給う。汝ら選ばれし者に。銃は善なり」と巨大神は言い放ち、大量の銃がその口から吐き出される。歓喜する撲滅戦士たち。続けて「性器は悪なり」というお告げと同時に、ゼッド(ショーン・コネリー)が振り向き、銃口を観客に向けて引鉄を引く。
不老不死のユートピアに侵入したゼッドは、永遠人たちに尋問される。鏡の間に落ち込んだゼッドは、無限反射する鏡像の中で発砲。テーマ曲の「ベートーヴェン交響曲7番・第2楽章」が流れる中、裸体に投射されたサイケデリックなイメージ、打ち砕かれた彫像が復元される逆転撮影など、トリック撮影が連続し、「人類を絶滅させたい」〜「ここは監獄だ」〜「神を殺したいか」〜「死は生からの解放」といった作品テーマに関わるセリフの数々がオーバーラップされていく。
そして再び巨大神が映し出された後、永遠人コンスエラ(シャーロット・ランプリング)が指し示すイラストの男性器がくいっと勃起し、110秒の新予告編は終わる。性器が含み持つ意味とは──?
Story
2293年、人類は不老不死の社会を実現。特権階級の永遠人〈エターナルズ〉たちは、荒んだ外界から隔絶した透明ドーム〈ボルテックス〉の中で優雅に暮らしていた。彼らは空飛ぶ巨大神像ザルドスを建立、それを神と崇める撲滅戦士〈エクスターミネーターズ〉たちを操り、外界に棲む獣人〈ブルータルズ〉たちの搾取と殺戮を続けている。だがある日、撲滅戦士のリーダーであるゼッド(ショーン・コネリー)は、着陸したザルドスの口内に身を隠し、ドームに潜入した。ザルドス=神の忠実な下僕だったはずのゼッドの目的とは?
©1974 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPOLATION
提供:キングレコード 配給:コピアポア・フィルム