遺された日記が明かす、作家の愛と孤独。「パトリシア・ハイスミスに恋して」
- タベア・ブルーメンシャイン , エヴァ・ヴィティヤ , グウェンドリン・クリスティー , コートニー・コーツ , ジュディ・コーツ , ダン・コーツ , ノエル・アクショテ , パトリシア・ハイスミスに恋して , ビル・フリゼール , マリジェーン・ミーカー , メアリー・ハルヴォーソン , モニーク・ビュフェ
- 2023年08月25日
「見知らぬ乗客」(1951)「太陽がいっぱい」(1960)「アメリカの友人」(1977)「キャロル」(2015)といった名作映画の原作者であるアメリカのサスペンス&ミステリー作家パトリシア・ハイスミス(1921-1995)。その知られざる素顔に迫るドキュメンタリー「パトリシア・ハイスミスに恋して」が、11月3日(金・祝)より新宿シネマカリテ、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、アップリンク吉祥寺ほかで全国順次公開される。ポスタービジュアルと予告編が到着した。
欧米ではアガサ・クリスティと並ぶ人気を誇るハイスミス。トルーマン・カポーティに才能を認められ、のちに映画化される数々の小説を生み出した。中でも偽名で発表した『キャロル』は自伝的作品であり、1950年代のアメリカでハッピーエンドを迎えた初のレズビアン小説だった。しかしそんな栄光を手にしながらも、ハイスミス自身は、女性たちとの旺盛な恋愛活動を家族や世間に隠す二重生活を余儀なくされていた。
「パトリシア・ハイスミスに恋して」は、ハイスミスの生誕100周年を経て発表された秘密の日記やノート、本人の映像やインタビュー音声、家族の証言、そしてアルフレッド・ヒッチコックやトッド・ヘインズ、ヴィム・ヴェンダースらによる映画化作品の抜粋映像を織り交ぜ、彼女の謎に包まれた人生と著作に新たな光を当てるドキュメンタリーだ。
とりわけウルリケ・オッティンガー作品「アル中女の肖像」(1979/8月19日より公開中)の主演・衣装担当であるタベア・ブルーメンシャイン、作家のマリジェーン・ミーカーなど、ハイスミスの元恋人たちによる証言は、多くの女性に愛されたハイスミスの魅力を明かすと同時に、当時のレズビアンカルチャーを知る貴重な手掛かりとなる。
監督・脚本を手掛けたエヴァ・ヴィティヤは、元になったハイスミスの日記を読みながら「彼女に恋してしまった」と明かす。ナレーションは『ゲーム・オブ・スローンズ』『ウェンズデー』に出演するグウェンドリン・クリスティーが担当。楽曲をフランス人ギタリストのノエル・アクショテが書き下ろし、ビル・フリゼールとメアリー・ハルヴォーソンが演奏に参加する。クールな仮面で隠された、惚れっぽく、傷つきやすく、愛を渇望し続けたハイスミスの素顔とは──。
「パトリシア・ハイスミスに恋して」
監督・脚本:エヴァ・ヴィティヤ ナレーション:グウェンドリン・クリスティー
出演:マリジェーン・ミーカー、モニーク・ビュフェ、タベア・ブルーメンシャイン、ジュディ・コーツ、コートニー・コーツ、ダン・コーツ
音楽:ノエル・アクショテ 演奏:ビル・フリゼール、メアリー・ハルヴォーソン
2022年/スイス、ドイツ/英語、ドイツ語、フランス語/88分/カラー・モノクロ/1.78:1/5.1ch
原題:Loving Highsmith 字幕:大西公子
後援:在日スイス大使館、ドイツ連邦共和国大使館 配給:ミモザフィルムズ
© 2022 Ensemble Film / Lichtblick Film
公式サイト:https://mimosafilms.com/highsmith/