キルギスの名匠が紡ぐ、近代化に抗い慎ましく生きる家族の物語「父は憶えている」
- アクタン・アリム・クバト , 父は憶えている
- 2023年09月08日
「あの娘と自転車に乗って」「馬を放つ」で知られるキルギスの名匠アクタン・アリム・クバト監督が、変わりゆく世界に抗って伝統文化を守りながら慎ましく生きる人々を描いた「父は憶えている」が、12月1日(金)より新宿武蔵野館ほかで全国順次公開。場面写真が到着した。
キルギスの村にひとりの男が帰ってきた。23年前にロシアへ出稼ぎに行ったきり消息不明だったザールクだ。記憶と言葉を失い、妻のウムスナイの姿はなかった。
心配する家族や村人をよそに、ザールクは村にあふれたゴミを黙々と片付け、無邪気な孫に慕われ、周囲とぎこちなく交流。そうして穏やかに暮らす中、権力者の圧力や村の近代化に否応なく直面する。果たして思い出は甦るか、妻や息子の名を再び口にする日は来るのか──。
監督がネットニュースで見つけた実話をもとに、自ら主演して紡いだ本作。第35回東京国際映画祭コンペティション部門に出品され、第15回アジア太平洋映画賞審査員特別賞を受賞した。ささやかな希望の物語に胸を打たれる。
「父は憶えている」
監督・主演:アクタン・アリム・クバト
2022年/キルギス・日本・オランダ・フランス/カラー1:1.85/105分/キルギス語・アラビア語・英語
英題:This is What I Remember 原題:Esimde
配給:ビターズ・エンド
©Kyrgyzfilm, Oy Art, Bitters End, Volya Films, Mandra Films
www.bitters.co.jp/oboeteiru/