井口奈己監督「左手に気をつけろ」「だれかが歌ってる」、著名人コメント到着

 

こども警察が“左利き”を取り締まる世界を描いた井口奈己監督作「左手に気をつけろ」が、6月8日(土)より渋谷ユーロスペースほか全国で順次公開される(同監督の2019年度作「だれかが歌ってる」も併映)。著名人のコメントが到着した。

 

「左手に気をつけろ」

 

〈「左手に気をつけろ」へのコメント〉

コロナに対してのアンサー映画を世界中で誰が撮るのかと思っていたら、
井口奈己監督がこれほどストレートでやさしくパワフルなものを見せてくれるとは。
──いがらしみきお(漫画家)

ヌーベルバーグ作品に初めて触れた若き日のように、静かな高揚感を抱きつつ繰り返し観て。
こども警察、運命の人、左手のユートピア、東京の風景、人口9割を占めるという右利きの自分……
のびやかで奔放な井口監督ワールドについて、今すぐ誰かと話したくてたまらない!
──甲斐みのり(エッセイスト)

「御用だ」の声が微笑ましく聞こえてしまうことに、心がざわつく。
子どもたちの声だから、というだけではない。
一見何事もなさそうな一日が描かれるので、
その声と置き換えられる現実が、私たちの身の回りに溢れていることを思い起こさせるのだろう。
──小森はるか(映像作家)

映画本編が終わっても、こども警察たちの活躍を最後まで見届けた気になるのはまだ早い。ACE COOL監修によるエンディング・テーマ「御用だ!」にて更なるこども警察の躍進を“聴き”届けろ!
──Jinmenusagi(ラッパー)

ついに井口監督が「女が男を追う映画」を撮ってしまったのか?と心配になったが、最後まで観ると、女が追いかけていたのは何かもっととんでもなくスケールのでかいものだったことに気付かされる。なんという越境!
──澁谷浩次(yumbo)

空色の美しさがとても印象に残りました。それは、左手の色だったのではないかと、見終わった後、あたたかい気持ちで思いました。
──中島京子(小説家)

ワーッ! と弾けてあまりに楽しそうな、しかし決して「可愛く」はない、むしろ恐ろしい子供たち。
非日常セッティングでばっちりかますマダムロス。
好きなタイプの冒険です。
──野中モモ(翻訳者・ライター)

待ち焦がれていた井口奈己監督の新作。
映像と音のリズムがひたすら心地よく、不意に現れたユートピアはなんとも不思議で美しかった。
──早川千絵(映画監督)

ロードムービーに大仰な距離はいらない、いくつかの写真と景色と素敵な横移動があればそれでいい、と高らかに教えてくれる。
そして、映画史への数々の引用符を吹き飛ばすような破壊と包摂のラストに唖然とした。
──深田晃司(映画監督)

ずっと待っていた井口奈己監督の新作は、なんてキュート!見れば見るほど楽しくなる。御用だ!御用だ!と走るこども警察を、のどかな世田谷線の車窓から見守りたい。
──藤野千夜(小説家)

覚悟の春。スクリーンに来た子供たちが走り去る。線路が誘う。隣人を運命の人として愛する者の前にだけ現れる、思いがけない左手の世界。マダムロスの叫びを目撃せよ!
──細馬宏通(行動学者)

陰鬱な顔! それでも笑っちゃう場所へ、大人が探すでなく子どもが連れ去ってくれる。でかくてわちゃわちゃした声にまきこまれ、コロナ禍のあの(冗談みたいな)生真面目さからもようやっと解放された気分だ。
──山本浩貴(小説家・デザイナー・いぬのせなか座主宰)

スクリーンを躍動するこどもたちを楽しんでいたはずなのに、
いつの間にか彼らがどこかうすら怖い存在に見えてくる不思議さ。
こどもと映画の親和性の高さをよく知る井口監督だからこそ撮れる映画。
──横浜聡子(映画監督)

 

「だれかが歌ってる」

 

〈「だれかが歌ってる」へのコメント〉

たったいま、『だれかが歌ってる』拝見しました。開始一分から涙が流れ、終わりには滂沱のありさま。これは、晩期高齢者のいま、ひたすら涙もろくなっていることだけでは説明のつかないショットの力だと確信しています。
──蓮實重彦(映画評論家)

 

 

「左手に気をつけろ」Story
20XX年。世界には左利きを媒介するウイルスが蔓延し、こども警察による厳しい取り締まりが行われていた。神戸りんは失踪した姉を探す中で“運命の人”と出会い、「世界を変えていく」と意気込むが……。

 

©文化振興ネットワーク、CULTURAL DEVELOPMENT NETWORK
配給:一般社団法人文化振興ネットワーク

▶︎ こども警察が取り締まる!井口奈己監督の冒険映画「左手に気をつけろ」