伝説のセッション・ピアニスト、ニッキー・ホプキンズの軌跡を振り返るドキュメンタリー「セッションマン:ニッキー・ホプキンズ ローリング・ストーンズに愛された男」が、ニッキーの命日である9月6日(金)より池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺ほか全国で順次公開される。予告編ならびにマーティ・フリードマン(ギタリスト)とモーガン・フィッシャー(キーボード奏者/本作登場)のコメントが到着した。

 

 

1960年代~70年代にザ・ローリング・ストーンズ、ザ・フー、ザ・キンクス、ジェフ・ベックら数多のアーティストのレコーディングに参加し、ザ・ビートルズのメンバー全員のソロアルバムに参加したことでも知られるニッキー・ホプキンズ。

素晴らしいピアノリフと音楽センスで魅了し、クローン病と闘いながらも、50歳で逝去するまで250枚以上のアルバムと数々のシングルのリリースに貢献した。そのロック人生を、仲間たちが語る。

 

 

〈コメント〉

マーティ・フリードマン(ギタリスト)
『セッションマン:ニッキー・ホプキンズ ローリング・ストーンズに愛された男』を見ると、音楽業界の伝説的アーティストの演奏場面をたっぷり覗けます。
トップアーティストやバンドの魔法は固定メンバーだけから生まれる物じゃない事実がよくわかる映画です。
セッションプレイヤー ニッキー・ホプキンズの名前は一般的に知られて無いですが、皆さんが彼の演奏を聴いた事があるのは間違いないです。

モーガン・フィッシャー(キーボード奏者)
今、ジョン・レノンの『イマジン』のオリジナルLPジャケットに、「ジェラス・ガイ(Jealous Guy)」で素晴らしいピアノを演奏したニッキー・ホプキンスがクレジットされていないことに気付きショックを受けています。彼のピアノこそ、この曲で最も大事な楽器なのに!!
でもインターネットが普及するずっと前、レコードについての詳細を調べるのが困難だった、60年代・70年代のセッションマンたちを取り巻く状況としてはこれが一般的だったのです。
そのため、多くの音楽ファン同様私も、多くの名曲レコードから聞こえる素晴らしいピアノの演奏が、ニッキー・ホプキンスによるものとは知らないまま楽しんでいることも多かったのです。
私自身が駆け出しのピアニストであったこともあり、ザ・フー、ローリング・ストーンズをはじめ多くのトップ・ロックバンドのピアノパートに熱狂しました。
当時、ロックのスコアが入手できることは非常に稀で、ロックの音楽スクールもありませんでした。若いミュージシャンたちは、どのように演奏されているのか理解できるまで、レコードを何度も聞いて耳で学ぶしかありませんでした。この「耳コピ」はおそらく音楽を学ぶ最良の方法です。
当時、ワイルドで力強いものであれ、優しく心温まるものであれ、ニッキーの素晴らしいピアノは、偉大なる無名の師であったのです。彼のギャランティーはその才能に見合うものではありませんでした(70年代はじめ、演奏のギャランティーは7ポンドでした)。セッション・マン達は、平凡な曲をメジャー・ヒットへと変貌させ、アーティスト達は裕福になった一方、この少ない報酬を受け入れていました。
ようやくニッキーがその貢献にふさわしい栄光と称賛を受け取る時が来ました。微力ながらこの良い映画に尽力できたことがとても嬉しいです。どうもありがとう。

 

「セッションマン:ニッキー・ホプキンズ ローリング・ストーンズに愛された男」

出演:ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、ビル・ワイマン(ザ・ローリング・ストーンズ)、ピーター・フランプトン、ピート・タウンゼント(声/ザ・フー)、デイヴ・デイヴィス(ザ・キンクス)、ニルス・ロフグレン、グリン・ジョンズ、ベンモント・テンチ(トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ)、チャック・リーヴェル、モーガン・フィッシャー、テリー・リード、グレアム・パーカー、P.P.アーノルド、ハリー・シアラー、モイラ・ホプキンズ
(アーカイブ映像)ニッキー・ホプキンズ、ジョン・レノン、オノ・ヨーコ、アート・ガーファンクル
監督・脚本・製作:マイケル・トゥーリン
製作総指揮:フランク・トルチア 共同プロデューサー:マイク・シャーマン、ジョン・ウッド 撮影監督:ルーク・パーマー 編集:アシュリー・スコット ナレーター:ボブ・ハリス
字幕監修:ピーター・バラカン、朝日順子
原題:The Session Man
配給:NEGA
2023年/イギリス/90分/カラー/16:9/HD/5.1ch/英語
©THE SESSION MAN LIMITED 2024
公式サイト:https://sessionman.jp

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