アカデミー賞7部門ノミネートの「ベルファスト」、ケネス・ブラナーが語る

 ケネス・ブラナーが監督・製作・脚本を手掛け、出身地の北アイルランド ベルファストを舞台に自身の幼少期を投影して撮り上げた自伝的作品「ベルファスト」が、3月25日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、渋谷シネクイントほか全国で公開。

 

Director Kenneth Branagh (left) and actor Jude Hill (right) on the set of BELFAST, a Focus Features release. Credit : Rob Youngson / Focus Features

 

 第46回トロント国際映画祭で最高賞にあたる観客賞を受賞して以降「これぞオスカーにふさわしい作品!」(ROLLING STONE)、「オスカー賞レースを新たな高みへと引き上げる作品」(VARIETY)、「熱狂!この映画を決して忘れることはできない」(THE HOLLYWOOD REPORTER)と、各誌から絶賛が寄せられた本作。
 第27回放送映画批評界協会賞では最多11部門にノミネートされ、第79回ゴールデングローブ賞では脚本賞を受賞。そして第94回アカデミー賞では、作品賞、監督賞、助演女優賞、助演男優賞、脚本賞、主題歌賞、音響賞の7部門でノミネートを果たした。
 一方で同じくブラナーが監督を務める映画「ナイル殺人事件」は、2月11~13日の全米ボックスオフィスランキングで興行収入1,289万1,123ドル(約15億円)で初登場1位に輝き、ブラナー作品への注目が高まっている。

「頑張る彼らの姿に力をもらってほしい」

 このたびブラナーのインタビュー映像が解禁。今の時代に故郷ベルファストを舞台に自伝的作品を撮り上げた思いや、こだわりのキャスティング秘話、そして分身というべき少年役を託したジュード・ヒルへの絶大な信頼などを明かした。

 「ベルファストは物語に事欠かない街だ。特に1960年代後半のベルファストは街の歴史上最も過酷な激動の日々だった」と語り始めるブラナー。「あの日々はずっと僕の頭にあって、故郷で過ごしたあの時代の物語をいつか脚本にしようと思っていた」と長年、映画化の機会を探っていたことを明かす。そんな中で新型コロナウイルスによるパンデミックが起き、過激さは違えども変わりゆく世界を人々が目の当たりにしていると感じ、最初のロックダウンが始まった2020年頃に脚本に着手した。

 時代の変化に戸惑い苦悩しながらも、未来へ突き進む家族の物語を描くにあたり、キャスティングではアイルランドと縁が深い俳優にこだわった。「ジェイミー・ドーナンはベルファストの出身でホーリーウッドという街に住んでいた。祖父役のキアラン・ハインズは僕の実家からたった1キロ半の場所に住んでいたんだ」。さらにカトリーナ・バルフやジュディ・デンチにもアイルランドの血が流れており、「俳優たちがとても前向きなエネルギーを加えてくれたと思う。彼らは“家族”だったね」と役者陣へ信頼を明かした。特に、自身を投影させた少年バディ役のジュード・ヒルに対しては「すばらしい仕事をしてくれた。僕らがジュードを見つけ出した瞬間、彼の才能はまさに開花したんだ」と絶賛。

 「この作品を観て、頑張る彼らの姿に力をもらってほしい」というブラナー。家族と故郷をテーマに、笑いと涙で綴った人生賛歌に、感動とエネルギーをもらえるはずだ。

 

[caption id="attachment_9584" align="alignnone" width="550"] Writer/director Kenneth Branagh on the set of BELFAST, a Focus Features release. Credit: Rob Youngson/Focus Features[/caption]

 


「ベルファスト」の第1弾記事はこちら

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