ムック|成熟という檻 『魔法少女まどか☆マギカ』論

ムック
★重版出来★ 空前の話題作『魔法少女まどか☆マギカ』を、群像新人文学賞の評論部門で2年にわたり最終選考に残った次世代の俊英・山川賢一が論じる、一筆入魂の書き下ろし。

表紙・巻頭特集

定価1300円+税 ページ数216
刊行キネマ旬報社 発行日2011年8月中旬
判型四六判 ISBN978-4-87376-374-3

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【忽ち重版!異例の売れ行きで話題の超硬派アニメ評論】

アニメ史に残る空前の話題作『魔法少女まどか☆マギカ』を、群像新人文学賞の評論部門で2年にわたって最終選考に残り、評論家・宮崎哲弥に「次世代評論家の注目株」とされている著者が論じる、一筆入魂の書き下ろし。超本格SFプロットとさまざまな文学的含意をはらんだ同作をスタート地点にして、SFやホラーを中心としたさまざまな小説、映画、コミックなどに批評の射程を広げ、名シーンの豊富な図版と共に、本作が孕む「少女たちの希望と絶望」を鋭く考察する。全216ページ(うち8ページカラー)

内容 / Detail

【目次より】

はじめに

【1】希望のない檻 さやかと杏子

1-1 希望と絶望
さやかと杏子
希望と絶望はなぜ「差し引きゼロ」なのか
まどかの願い
隠された物語

1-2 非人間的な秩序 Jホラーとの比較
秩序の恐怖
コズミック・コンフリクト
ドラマの切断
友に呼びかける

1-3 魔法少女の生存条件 ホラーとしての『まどか☆マギカ』
生存条件 さやか
生存条件 杏子
生存条件 マミ
魔法少女のシステムと「条理」

1-4 「非人間的な秩序」とゾンビ
ホメロスからドラキュラまで
「タイムマシン」
『モロー博士の島』
ゾンビと未来
魔法少女とゾンビ

【2】希望の檻 まどかとほむら

2-1 くりかえす時間
ほむらとまどか
ほむらのタイムループ
反復

2-2 インキュベーター
インキュベーターと契約
『ハーモニー』
未来予測の多様性
予言者/全体主義者

2-3 隠された物語
生存条件 ほむら
死者の目線
折衝

2-4 成熟という檻
まどかのタイムループ
孤独と意思
『新世紀エヴァンゲリオン』 望んだものと強いられたもの
ヒーローの是非

おわりに



【著者】山川賢一(やまかわ・けんいち)
1977年愛知県生まれ。名古屋大学大学院文学部人文学科フランス文学専攻修了後、会社員、予備校講師を経て文筆活動に移る。名古屋在住。

●執筆作
「フィジカルな宇宙―H・G・ウェルズ」
2009年度(第5回)日本SF評論賞(日本SF作家クラブ主催/「S-Fマガジン」後援)最終選考作品
「H・G・ウェルズ―ダーウィニズムの詩学」
2011年度(第54回)群像新人文学賞 評論部門 最終選考作品

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