ムック|団地団 ~ベランダから見渡す映画論~

ムック
団地好きユニット「団地団」のトークを収録&膨大な脚注を書き下ろし&名団地のロケ写真を多数掲載。映画、マンガ、アニメなどに登場する「団地」をめぐって繰り広げられる抱腹絶倒、知恵熱必至の大鼎談。

表紙・巻頭特集

定価1900円+税 ページ数208
刊行キネマ旬報社 発行日2012年1月下旬
判型A5判 ISBN978-4-87376-386-6

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2010年12月、新宿ロフトプラスワンのトークイベントで結成された団地好きユニット「団地団」(大山顕、佐藤大、速水健朗)のトークを再構成して収録&膨大な脚注を団地団メンバー自身が書き下ろし&名団地のロケ写真を多数掲載。

映画、マンガ、アニメなどに登場する団地について、団地団メンバーがそれぞれの立場から深く考察しながら抱腹絶倒の大鼎談を繰り広げる、知恵熱必至の知的エンタテインメント。

話題は団地の美観や構造に対する偏愛にとどまらず、団地登場作品の演出論やそこから読み取れるインフラ論、大衆文化論、果ては都市論や郊外論にまで及ぶ!

内容 / Detail

【目次より】


●カラーグラビア/団地団、団地へ行く
 【写真・文/大山 顕】
狭山台団地(埼玉県狭山市)
大蔵住宅(東京都世田谷区大蔵)
多摩川住宅(東京都調布市・狛江市)
高島平団地(東京都板橋区高島平)
都営西台アパート(東京都板橋区高島平)


●はじめに
【文/大山 顕】


●団地団トーク収録パート
【構成/速水健朗、脚注書き下ろし/団地団、章扉イラスト/今井哲也】

 ■第一章 地球人団地を侵略せよ
 ・はじめに大友克洋『童夢』ありき
・大友克洋と岡崎京子が描く高度成長期の記憶
・『ウルトラマン』に登場する団地
・団地は宇宙人に侵略されがち!
・大量生産、畳、住宅
・アニメ制作現場の量産体制
・共産主義者・宮崎 駿の自然観、団地観
・綾波レイが団地に住む理由

 ■第二章 映画から見る団地の歴史
 ・団地族=セックス・アンド・ザ・シティ『下町の太陽』
・団地成金登場! 『喜劇 駅前団地』
・不幸な都市・東京
・団地映画の最高傑作『しとやかな獣』
・高層階に住むということ
・団地の空撮映像『大市民』

 ■第三章 団地妻はいかに生まれしか
 ・団地映画の転換点『団地妻 昼下りの情事』
・2010年のリメイク版『団地妻 昼下がりの情事』
・団地妻にはなれなかった団地妻
・『団地妻』以降の団地映画

 ■第四章 団地と土地の記憶
 ・母親の顔が描かれない理由
・団地になる前の土地の歴史
・映画の怪獣が都市に現れる〝マンモス西?的理由
・団地の起伏に注目の『放浪息子』
・『放浪息子』『白と黒』のモデルは何団地?

 ■第五章 世界の団地から
 ・団地都市ソウルが舞台の『ほえる犬は噛まない』
・ゾンビと団地!
・英国団地は芝生の中庭付き?
・ポルトガルの社会派団地映画
・工場萌え映画の巨匠・小津安二郎
・嵐主演の団地青春映画『ピカ☆ンチ』
・日本の団地引きこもり小説『みなさん、さようなら』


●COLUMN
 ■マンションポエム【文/大山 顕】
■団地とわたし
幾つもの偶然と転機を迎えて様々な人々を
巻き込んで広がり続けている団地団のまだ短い歩み2010~2011
【文/佐藤 大】



【本書で語られる主な団地登場作品】

●映画
『団地妻 昼下りの情事』(71年版)『団地妻 昼下がりの情事』(2010年版)
『しとやかな獣』『家族ゲーム』『下町の太陽』『喜劇 駅前団地』
『運命の皮肉』『お早よう』『踊る大捜査線 THE MOVIE』
『ピカ☆ンチ LIFE IS HARDだけどHAPPY』『ほえる犬は噛まない』
『ザ・ホード ─死霊の大群─』『人生は、時々晴れ』『コロッサル・ユース』

●アニメ・特撮
『デジモンアドベンチャー』『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』
『耳をすませば』『新世紀エヴァンゲリオン』『放浪息子』
『ウルトラマン』『ウルトラセブン』

●コミック
『童夢』『リバーズ・エッジ』『ジオラマボーイ パノラマガール』
『ラブ・マスターX』『団地ともお』

●小説
『白と黒』『みなさん、さようなら』『グルー』



【著者:団地団メンバー】

大山顕(おおやま・けん)
72年生。フォトグラファー、ライター。団地・工場・ジャンクションなどの撮影のほか、産業観光のコンサルテーションも行う。主な著書は『団地の見究』『工場萌え』『ジャンクション』『楽しいみんなの写真』(共著)など。サイト:http://www.ohyamaken.com/


佐藤大(さとう・だい)
69年生。脚本家、作詞家。主にアニメ・ゲームの企画開発・脚本執筆を手がける脚本家集団 「ストーリーライダーズ」代表。主な脚本作品は『カウボーイビバップ』『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』 『交響詩篇エウレカセブン』『鉄拳 ブラッド・ベンジェンス』など


速水健朗(はやみず・けんろう)
73年生。フリーランス編集者、ライター。主な分野は、メディア論、書評、ショッピングモール、都市論、ビジネス系取材もの。主な著書は『ケータイ小説的。――“再ヤンキー化”時代の少女たち』『自分探しが止まらない』『ラーメンと愛国』など

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