「ザ・クラフト」のストーリー
L.A.に引っ越してきた女子高生のサラ(ロビン・タニー)は、新しい学校で一風変わった女の子たちに目をつけられる。彼女たちは“魔女三人組”と呼ばれて仲間外れにされていたが、実際にはそれぞれに深刻な悩みを抱えていた。リーダー格のナンシー(ファイルーザ・バルク)はだらしのない母親と暴力を振るう養父との最低の暮らしから逃げ出したいと思い、ロシェル(レイチェル・トゥルー)は黒人というだけで他の白人の女の子たちからいじめられ、ボニー(ネーヴ・キャンベル)は重症の皮膚病のため背中一面に醜い爛れがあり、苦しい放射線治療を受けていた。三人は、いつか皆を見返してやるだけのパワーを身につけたいとの思いから、堅い絆で結ばれていた。かねてより黒魔術に関心を寄せていた三人は、強い霊感の持ち主であるサラを仲間に引き入れようとする。一旦は誘われるままに三人組と街に繰り出し、リリオ(アスンプタ・セルナ)という女性が経営するオカルト・ショップに出掛けたりしたサラだったが、彼女にしつこく付きまとう不気味なホームレスの男が車に跳ねられるのを目撃したり、ナンシーたちの話を聞くうちに怖くなった。彼女は先に帰り、フットボール部の選手、クリスとのデートに出掛ける。キスまでしか許さなかったが、翌日、学校でクリスは彼女とのセックスは今までの女の子のうちで最低だったと言いふらしてサラを物笑いにした。傷ついた彼女は三人組に誘われて黒魔術の儀式を執り行い、さらに夜を徹して悪霊マノンを呼び、そのパワーを体内に取り込む。効果はてきめんに現れた。クリスはサラになりふり構わず夢中になり、ボニーのただれた皮膚は奇跡的に快復し、ロシェルをいつもいじめていた白人の女の子は原因不明の脱毛症にかかる。そしてナンシーの憎い養父は心臓麻痺で急死し、その保険金のお陰でナンシーと母のグレイス(ヘレン・シェイヴァー)はリッチなマンション暮らしを送ることができた。だが、ナンシーは力をセーブすることなく、面白半分に魔術を使ってクリスを殺してしまう。罪悪感に苛まれたサラはグループから抜けようとするが、それを知ったナンシーたちは魔術を使って執拗に嫌がらせを始め、サラはリリオに助けを求める。リリオは彼女に、あなた自身のパワーを信じて立ち向かえばきっと勝てると言う。家に帰ると、ナンシーたちはサラの両親が事故死したニュース、さらに爬虫類や虫の大群の幻影を見せ、彼女を自殺に追い込もうとした。サラはやはり魔女だった死んだ母に祈り、マノンのパワーを取り込んでナンシーと戦う。壮絶な魔術合戦の果てにサラは勝利し、ナンシーの力を封じ込めた。ボニーとロシェルも力を失い、ナンシーは精神病院に送られた。そしてサラは街を去った。