「青い鳥(1976)」のストーリー

木こりの子供、チルチル(トッド・ルッキンランド)とミチル(パッツィ・ケンシット)の兄妹は、今遊びざかり。今日も愛犬のチロを連れて遊びすぎて、お母さん(エリザベス・テイラー)からしかられてしまった。その夜、二人は寝つかれず、向かいの大邸宅から聴こえてくるパーティのにぎやかな音楽や笑い声につられて、家を抜け出して見物に出かけた。そこでは着飾った人たちが、山のようなごちそうを前に楽しそうにおしゃべりをしていた。その夜、見知らぬ老婆が訪ねてきて、病気の娘のために青い鳥を探してきてほしいと頼み込み、ダイヤのついた帽子をチルチルに手渡した。そのダイヤを回すと、今まで見えなかったものがすべて見えるという。いわれた通りにしてみると、きららかな光の精(E・テーラー)がにこやかに現われ、もっていた杖をふるとパン、ミルク、砂糖が次々に生きもののように動き出した。犬のチロや猫のチレット(シスリー・タイソン)も男と女の姿に変わって、しゃべり始めた。一行は光を案内役に、青い鳥を探して旅に出ることになったが、猫は青い鳥が見つかれば自分たちはまたもとに戻ってしまうから、兄妹たちの邪魔をしようといい出し、人間に忠実な犬と口論を始める始末。ともかくにぎやかな出発だ。ミルク色の霧が晴れると、小さな農家の庭先に大好きだったおじいさん(W・ギア)とおばあさん(モナ・ウォッシュボーン)が眠っていた。兄妹は鳥篭の中のツグミが青いので、それを貰うと大喜びで帰りかけたが、いつのまにか青いと思っていたツグミはもとの黒い色になっていた。ここは闇と眠りと恐怖の世界だ。光もここまでは来ることが出来ない。チルチルはこわがるミチルを励まし夜の王女(J・フォンダ)から鍵を受けとると、亡霊、戦争など、さまざまな恐ろしいものがつめこまれた扉を次々と開け、最後に一番奥の扉を開けると、無数の青い鳥が飛んでいた。二人は夢中で青い鳥を篭いっぱいにつかまえたが、光にあたったとたん、みんな息たえてしまった。なおも青い鳥をたずねるチルチルとミチルは、深い森の中へと迷い込んでしまう。猫は悪知恵を働かせ、二人の邪魔をするようカシワの木の大王(H・アンドリュース)をそそのかした。そんな猫のたくらみも知らず、樹木たちがこわがるからという理由で、チルチルはいやがる犬を縛りつけたが、それを合図に、人間に長い間痛めつけられて復讐に燃える大王以下、巨木の大群に襲われた。しかし、チルチルは犬や光の応援で勇敢に闘い急場をきり抜けた。いつの間にか一行は、もとのチルチルの家に戻っていた。長い辛い旅の果てに、青い鳥はとうとう見つからずじまいだった。めいめいがチルチルとミチルとの最後の別れを惜しみながらもとの姿に帰っていった。お母さんに起こされても二人は不思議な冒険のことが頭から離れず、とんちんかんな返事ばかり。いつものように起きた二人だが、この朝は違ってていた。鳥篭の中のキジバトが青くなっていたのだ。チルチルは病気の少女のところに届けにいった。ところが少女に渡そうとしたすきに、キジバトはするりと逃げてしまった。チルチルは泣きべそをかく少女をなぐさめると、人々に呼びかけた。“どなたか、青い鳥を見つけた方は返して下さい。必要なんです”。