「将軍月光に消ゆ」のストーリー
一九四四年のある夜、独軍占領下のクレタ島に一隻の英駆逐艦が接近した。夜陰に乗じて一人の男--モス大尉(デイヴィッド・オックスレイ)が上陸に成功した。彼は、特殊任務のため島に残ってパルチザンを率いる友人ファーマー少佐(ダーク・ボガード)と再会、秘密計画を打明けた。独占領軍司令官クライペ元帥(マリウス・ゴーリング)を捕え海路、カイロへ連行しようというのだ。各地のパルチザンと連絡しつつ計画は進められた。ある日、独軍の警官の制服を手に入れたファーマー少佐とモス大尉はそれを着こみ、自宅へ帰る元帥を待伏せ車ごと奪取、独軍の警戒網を破って山中の根拠地に着いた。ここから、僚艦の接近する島の南岸まで一行は危険を冒しつつ山越えを始めた。しかし海岸近くに到着すると独軍の一隊がそこにいた。この光景を見た元帥は、一行についてきた土地の子供に銀貨を与え自分が捕われていることを味方に知らせようとした。が、利口な子供は、逆に独軍を山中へ誘導、一行は無事、海岸に降りることができた。ところが、沖合の僚艦との連絡をとる段になって、困ったのは、ファーマー少佐もモス大尉も肝心のモールス信号を覚えていなかったことだ。幸い一行のパルチザンの一人がモールスを知っていた。夜の闇に懐中電灯の信号が点滅するや待機していた僚艦は接近してきた。無謀とも思われた彼らの計画は成功、艦上に移された元帥も、その不敵さに遂に兜を脱いだ。