「抵抗(レジスタンス) 死刑囚の手記より」のストーリー

一九四三年独軍占領下のリヨン。レジスタンス派のフォンテーヌ中尉(フランソワ・ルテリエ)はドイツ軍にとらえられ、拷問された上モントリュックの監獄に投げ込まれた。独房で死刑の判決をまつうち、彼は脱出することに全力をつくす。まずスプーンをといでナイフをつくり、何日もかかって扉のハメ板を外す。ベッドの毛布を裂いて綱をつくる。朝の洗面のとき、収容者同士は秘かに連絡をとるが、脱出はすこぶる困難だ。フォンテーヌの勇気と強い意志は、次第に人々を動かして行く。ところが、十六歳のドイツ軍の服を着た脱走兵が彼の同室に投げ込まれる。はじめは自分を監視するおとりだと思うが、遂に意を決して、この少年にも脱走計画をもらし協力をたのんだ。いよいよ決行の夜、二人は扉をあけて屋根の上によじ登る。綱をつたって中庭に降り、警察のドイツ兵を殺して壁をこえる。おそらく、一人だったらこの壁をこえることはできなかったろう。壁の外には外庭があって、再び第二の壁がある。壁の外には、衛兵が自転車で巡回していた。この眼をかすめるために、二人は外壁との間に綱をわたし、空中をつたって外へ出る。こうして、綿密な計画と、忍耐と、勇気をもって行われたフォンテーヌの脱出は、厳重な計画を突破して成功した。