「老兵は死なず」のストーリー

一九〇二年。南阿戦争が終ってクライヴ・キャンディ中尉(R・リヴシイ)は武勲をたててロンドンに帰還したが、カウニッツというドイツのスパイが英国を中傷している噂をきき、ベルリンに向った。彼はそこでエディス(D・カア)という英人家庭教師と共にカウニッツをこらしめに出かけたが、果は殴り合いとなり、キャンディは独軍将校の代表と決闘しなければならなくなった。その代表に選ばれたのがテオドル・クレッチマア・シュルドルフ大尉(A・ウォルブルック)で、決闘の結果は相討ちとなって同じ病院で治療をうけるうち二人は無二の親友になった。テオドルにエディスの美しさに心をうばわれ、キャンディが想っていることを知る由もなく彼女もこの愛を受け入れた。以来狩猟に日を送っていたキャンディは大佐に昇進して一九一八年の西部前線に出征、エディスとそっくりの従軍看護婦バーバラ(D・カー)をみそめて、終戦後彼女と結婚した。テオドルは捕虜としてイギリスの収容所にいたが、最初は自尊心からキャンディとの再会も拒絶、やっと送還の前夜折れて出て、二人は旧交を温めた。更に年は移って、妻エディスに先立たれ二人の息子をナチに捧げたテオドルは英国に亡命して来ていた。キャンディは国軍の要職についていたが、彼もまた妻バーバラを亡い、更に第二次大戦が勃発すると、その軍略の古風さの故に現役を退けられた。彼はテオドルや、更に自動車運転手の婦人部隊員ジョニイ・キャノン(D・カー)にすすめられ、国内防衛隊を組織することになった。処がそのロンドン市街演習の日、彼の古風な正統戦術は仮装敵になった若い将校に散々叩きつけられた。ルールを無視するナチと闘うには、平和な民主主義と人道主義だけでは足りないというのがテオドルや若い将校達の意見であった。キャンディは自分の古さを改めて悟り、新らしい戦いの意義を思い知らされたのである。

今日は映画何の日?

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