「三文オペラ(1953)」のストーリー

十八世紀のイギリス。ニューゲイト牢獄で明日の死刑を待つ剽盗マッキース(L・オリヴィエ)が脱獄を画策しているところへ乞食のオペラ書きが投獄されてきた。彼はマッキースを主人公にしたオペラを書いて持っていた。その物語は--剽盗マッキースには懸賞金がかかっている。けいず買いピーチャムの娘ポリー(D・テュティン)は彼の内縁の妻であったが、それを知っておどろいた父ピーチャムは、かえって娘をおとりにマッキースを捕え、懸賞金をせしめようとした。ポリーとの密会中を襲われたマッキースは群がる敵をなぎ倒して盗賊の集る酒場へ逃れたが、ピーチャムに買収された酒場女の密告でついに捕った。牢番の娘ルシー(D・アンダスン)はかつてマッキースと契った仲なので彼を脱獄させようとしたが、そこへポリーが現れ、二人はマッキースを挟んで時ならぬ大喧嘩を始めた。二人の父親が現れて連れ去ったので喧嘩はおさまったが、その夜ルシーに助けられマッキースは脱獄にマンマと成功、逃げる途中、路銀をつかもうと賭博場に入って賭けに夢中になるうちに、賭博場の女主人の密告で、またしても捕えられてしまった。翌日は死刑当日、沿道を埋める人人に賑やかに見送られ、ポリー、ルシーと別れを惜しんで、一世の剽盗マッキースは絞首台上の人となる--話は終って、本物のマッキースは、芝居と本物で二度死刑にされるのがいやだと言った。他の囚人たちもマッキースに和して「保釈だ」と叫んで牢内は大騒ぎとなった。マッキースは時到れりと騒ぎを利用して首尾よく脱獄に成功、自由の天地にかけ去った。