「ハモンハモン」のストーリー

小さな町に住む魅惑的な少女シルヴィア(ペネロペ・クルス)と大手下着メーカー社長マヌエル(ファン・ディエゴ)の息子ホセ・ルイス(ジョルディ・モリャ)は恋人同志。シルヴィアの母カルメン(アンナ・ガリエナ)は街道沿いの売春宿を切り盛りしている。ある日、ホセがシルヴィアを妊娠させてしまったことが発覚する。ホセを溺愛する母コンチータ(ステファニア・サンドレッリ)は二人を結婚させてなるものかと、闘牛士を夢見る美少年ラウル(ハビエル・バルデム)を下着モデルとして雇い、シルヴィアを誘惑させようと罠を仕掛けるが、どうしたことかコンチータは、ラウルの肉体に自ら溺れていってしまう。しかしラウルは、シルヴィアに強く魅かれていた。コンチータの横槍でホセとの間がしっくりいかないシルヴィアは、再三ラウルのアプローチにも冷たい態度で接していた。ある日、カルメンとシルヴィアが可愛がっていた子豚が、二人の目の前でラウルのバイクに跳ねられて死んでしまう。しかしシルヴィアが駆け寄ったのはラウルの方だった。この事件を発端にして、この六人の男女は、自らの抑制してきた欲望を剥き出しにする。マヌエルに父性を求めるシルヴィア。ホセはカルメンに身を委ね、ラウルはシルヴィアへの想いよりも、コンチータが呟く富と名声の誘惑に酔っていた。そして、ホセとラウルはハム工場で決闘し、大きなハムの塊で殴り合い、ホセは死んでしまうのだった。