- キネマ旬報WEB トップ
- 彼奴は顔役だ
- ストーリー
「彼奴は顔役だ」のストーリー
第一次大戦も終局に近いフランス戦線で、3人のアメリカ兵が帰還後の方針を語り合っていた。再びガレージで自動車の整備工として返り咲こうというエディ(ジェームズ・キャグニー)、酒場に戻るハリー(ハンフリー・ボガート)、弁護士になりたいと遠大な希望を抱くロイド(ジェフリー・リン)がそれだ。中でもエディは、いつも慰問文をよこすジーンという女性に会えると思うと胸がときめいた。しかし、夢想と現実は、こんなにも違うものだろうか。エディの後釜には他の男が雇われており、復職できぬ傷心の彼が慰問文の主ジーン(プリシラ・レーン)を訪ねると、彼女はまだ10代の高校生だった。その後、タクシーの運転手の口にありついたエディは、ナイトクラブの経営者パナマ・スミスと知り合うが、彼女はエディを手先に使い、たちまち一財産を作り上げた。エディはかつての戦友ロイドを迎え、美しく成長したジーンをパナマのナイトクラブへ世話してやった。エディはジーンに想いをよせているが、彼女はエディの法律顧問のロイドに夢中だった。ハリーを相棒にして金持ちになったエディも、彼と喧嘩別れしてから落目となり、再び無一文になった。それから5年。 堅気になったロイドと結婚しているジーンの前に、今は顔役のハリーが脅迫に現れた。思い余ってジーンはエディに救いを求めた。昔の愛人の幸福のため、エディはハリーを倒すが、彼自身の生涯にも終止符が打たれた。ハリーの子分が、背後からピストルで撃ったのである。